如月にて
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「ストレンジ先生、起きて下さい!」
「……ん」
イギリスから如月まで飛行機で来たはいいものの、時差の影響かかなりストレンジは眠り込んでいた。
対するユイは、不安と緊張で中々寝付けない程であったのだ。
「如月神社までどれくらいだ?」
「2時間半くらいですかね。
飛行場からすぐにある電車に乗って1時間、神社まで30分です」
元の世界である如月と違うのは、かなり田舎であると言う事だ。
飛行場の周りには、店があるが離れてしまえば少なくなる。
如月が田舎から都市になるのは、かなり先だ。
「都市開拓までどのくらいだよ」
「分かりませんよ、兎に角着いたから降りますよ」
未だ眠さで不機嫌なストレンジを先導しつつ、飛行機を降りて行った。
電車で段々と田舎に変わりつつある風景を眺めながら、これから先へ思いを馳せる。
如月神社に行き、ユイと似た容姿を持つ巫女に会えば、何か分かるのだろうか?
闇の勢力を持つ敵の正体を知る事が出来るのか?
故郷である筈なのに、全く別世界の如月。
この時代にユイはまだ、産まれてすらいなかった。
様々な思考が頭をよぎる中、ようやく如月駅に到着した。
駅に降りると、静かな無人改札口が2人を迎える。
雨避けの屋根すら無く、人の話し声も聞こえない。
「お前の元の世界の如月は、都会なんだよな?」
「東京や大阪には及びませんけど、そこそこ栄えてる都市ですよ」
本当にこんな田舎が街になるのか、と疑う目で緑溢れる風景を見てストレンジが口にした。
駅を降りると、すぐそばにレトロなカフェがあった。
「ストレンジ先生、寄って行きませんか?
時差とかで疲れたでしょう」
「お前は疲れてなさそうだな。
まぁ色々背負ってるし、疲れないわな」
失礼な疲れてるわ、と言いたいが実際何かを食べたい事を口に出来ず、彼女は曖昧に笑って返した。
中へ入ると、緩やかで静かな曲が店内に流れていた。
「いらっしゃいませ」
女性店員が後に、お2人ですか? と確認する。
それに頷きつつ、ユイは店内を見回した。
客はユイとストレンジの2人だけ。初詣なら客がいてもいい筈だが。
失礼だと思いつつ、店員に言うと。
「皆様は、如月神社の近くにある出店に行かれますからね。初詣や夏祭り、特別行事のある時しか出店は出ませんから」
「つまり軒並み客は、そっちに行ってんのか」
はい、と店員は頷く。成る程、特別行事の時くらいしか出店が出ないなら、皆そっちに行くか。
しかし人が多い場所は苦手な為、カフェを選んで正解だったかも。
目に何処か影を湛えた店員は、2人を席に案内した。
ストレンジと向かい合って座り、メニュー表を開く。
「挿絵が無いですね」
ドリンクの挿絵はあるのだが、食べ物の挿絵が無い。
しかも食べ物のメニューは、見た事ないものばかり。
「はぞめき蟹、ハヅラボウ(アナブミの稚魚)、アナブミの頭煮、人魚の刺身にたこの刺身」
「如月にしか無いメニューじゃないのか?」
「私の元の如月駅の近くには、こんなカフェはありませんでしたし。あったのは、ミセスドーナツ屋くらいで」
もしかしたらこのカフェは、ミセスドーナツ屋が出来る前にあった店なのかも。
そもそもカフェなのに、この様な魚メイン(多分、タコもあるし)を出すだろうか?
ストレンジの言う様に、如月限定のメニューだとしたら。
如月にある唯一の海は、如月湾界である。だが時代が進むにつれ埋め尽くされて、ユイの元いた世界ではホテルやマンションが建っていた。
それが原因でこのカフェが無くなったのだとすると、このメニューにある食材の……人魚やハヅラボウは。
「ご注文はお決まりですか」
恐ろしい考えがピースを埋め尽くそうとした瞬間、ヌッと先程の店員が、ユイの顔を覗き込む様に見て来ていた。
結局飲み物だけを飲み、タクシーを拾って如月神社まで向かった。
カフェが遠のくと同時に、先程のメニューに載っていた謎の食べ物は記憶から薄れていくのを感じた。
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参考動画→☔️穴さんの海鮮食堂
「……ん」
イギリスから如月まで飛行機で来たはいいものの、時差の影響かかなりストレンジは眠り込んでいた。
対するユイは、不安と緊張で中々寝付けない程であったのだ。
「如月神社までどれくらいだ?」
「2時間半くらいですかね。
飛行場からすぐにある電車に乗って1時間、神社まで30分です」
元の世界である如月と違うのは、かなり田舎であると言う事だ。
飛行場の周りには、店があるが離れてしまえば少なくなる。
如月が田舎から都市になるのは、かなり先だ。
「都市開拓までどのくらいだよ」
「分かりませんよ、兎に角着いたから降りますよ」
未だ眠さで不機嫌なストレンジを先導しつつ、飛行機を降りて行った。
電車で段々と田舎に変わりつつある風景を眺めながら、これから先へ思いを馳せる。
如月神社に行き、ユイと似た容姿を持つ巫女に会えば、何か分かるのだろうか?
闇の勢力を持つ敵の正体を知る事が出来るのか?
故郷である筈なのに、全く別世界の如月。
この時代にユイはまだ、産まれてすらいなかった。
様々な思考が頭をよぎる中、ようやく如月駅に到着した。
駅に降りると、静かな無人改札口が2人を迎える。
雨避けの屋根すら無く、人の話し声も聞こえない。
「お前の元の世界の如月は、都会なんだよな?」
「東京や大阪には及びませんけど、そこそこ栄えてる都市ですよ」
本当にこんな田舎が街になるのか、と疑う目で緑溢れる風景を見てストレンジが口にした。
駅を降りると、すぐそばにレトロなカフェがあった。
「ストレンジ先生、寄って行きませんか?
時差とかで疲れたでしょう」
「お前は疲れてなさそうだな。
まぁ色々背負ってるし、疲れないわな」
失礼な疲れてるわ、と言いたいが実際何かを食べたい事を口に出来ず、彼女は曖昧に笑って返した。
中へ入ると、緩やかで静かな曲が店内に流れていた。
「いらっしゃいませ」
女性店員が後に、お2人ですか? と確認する。
それに頷きつつ、ユイは店内を見回した。
客はユイとストレンジの2人だけ。初詣なら客がいてもいい筈だが。
失礼だと思いつつ、店員に言うと。
「皆様は、如月神社の近くにある出店に行かれますからね。初詣や夏祭り、特別行事のある時しか出店は出ませんから」
「つまり軒並み客は、そっちに行ってんのか」
はい、と店員は頷く。成る程、特別行事の時くらいしか出店が出ないなら、皆そっちに行くか。
しかし人が多い場所は苦手な為、カフェを選んで正解だったかも。
目に何処か影を湛えた店員は、2人を席に案内した。
ストレンジと向かい合って座り、メニュー表を開く。
「挿絵が無いですね」
ドリンクの挿絵はあるのだが、食べ物の挿絵が無い。
しかも食べ物のメニューは、見た事ないものばかり。
「はぞめき蟹、ハヅラボウ(アナブミの稚魚)、アナブミの頭煮、人魚の刺身にたこの刺身」
「如月にしか無いメニューじゃないのか?」
「私の元の如月駅の近くには、こんなカフェはありませんでしたし。あったのは、ミセスドーナツ屋くらいで」
もしかしたらこのカフェは、ミセスドーナツ屋が出来る前にあった店なのかも。
そもそもカフェなのに、この様な魚メイン(多分、タコもあるし)を出すだろうか?
ストレンジの言う様に、如月限定のメニューだとしたら。
如月にある唯一の海は、如月湾界である。だが時代が進むにつれ埋め尽くされて、ユイの元いた世界ではホテルやマンションが建っていた。
それが原因でこのカフェが無くなったのだとすると、このメニューにある食材の……人魚やハヅラボウは。
「ご注文はお決まりですか」
恐ろしい考えがピースを埋め尽くそうとした瞬間、ヌッと先程の店員が、ユイの顔を覗き込む様に見て来ていた。
結局飲み物だけを飲み、タクシーを拾って如月神社まで向かった。
カフェが遠のくと同時に、先程のメニューに載っていた謎の食べ物は記憶から薄れていくのを感じた。
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参考動画→☔️穴さんの海鮮食堂