意外な話
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「あの私、ナズって言います!」
教頭と話していると、空気読めない人物が1人やって来た。
会話に無理矢理入られた事に、ユイは気分を害し顔を顰めるが、教頭は笑みを浮かべたままだ。
「ちょっとナズ、私今話して」
「夢主王道乗っかってない奴は、黙ってなさい! ねぇ、教頭先生、私を見て何か思わない?」
ピンクのフリフリドレスを見て、教頭はそうですねと言葉を紡ぐ。
「実に人の視線を集める様な、奇抜なドレスですね。
お相手を待たせているなら、私と話す時間も惜しいのでは?」
つまり話す気無いからどっか行け、と教頭也にオブラートに包んだ表現であった。
数分であるがユイは、教頭の人の成りを理解していた。
彼はあまり本音を相手に突きつける様な人物ではないこと、そして実はそう言った方を怒らせると怖いことも。
そうとも知らずナズはめげずに。
「大丈夫よ。ほら私を見て話すことあるでしょ?
気に入ったとかなんとか」
「申し訳ありませんが、私にも人を選ぶ権利があります。
言い方はアレですが、貴女を見て気にいる方は相当趣味が」
「う、うわぁぁん!」
思い通りにいかない事に業を煮やしたナズが、ガチで地団駄踏んで泣き出した、バカだろ。
ダンスの音楽が鳴り止み、踊っていた面々もどうしたとナズに目を向けた。
「酷い……皆んな、あのブスにばかり目を向けて。
私の方が可愛いし性格良いのに」
さめざめと泣きながら、彼女に勝ち誇った目を向けるナズ。言い返したいのは山々だが、今のナズに何を言っても無駄だろう。
諦めていた時、少しいいかしら? と鈴の鳴る様な声が響く。
白銀の世界の住人と言っても過言でないマリーが、ナズに優しい笑みを讃えたまま言った。
「貴女、誰に物を言っているの?」
「は、え」
「教頭が気に入った人物に目くじらを立てるなんて…………いい度胸ね。
ホグワーツと全面戦争になる引き金を引くのは、貴女になるけどいいのかしら?」
とんでもない物騒な発言を、優しい表情から発せられ周りの皆が息を呑む。
おい謝れ、とナズに揶揄する者も。
目に見えてナズは狼狽えるが。
「わ、私が? は! 夢主王道乗っかっている私はね、何しても許されるのよ!
謝る訳が」
「ならカルデア学院にこの件を持ち帰り、検討しなければ。
マリー、急いで学院に」
「申し訳ない」
話がとんでもない方向に進む中、謝ったのはダンブルドアだ。
「聞く気はないが、一応聞こう。
此度の件、責任を感じているのだな?」
「カルデア学院の実力、儂は理解しておる。ホグワーツの皆が団結しても、勝てない学院だと。ナズの失礼な発言は、儂の監督ミスじゃ」
緊張して皆が見守る中、ダンブルドアは謝罪の意を述べる。恐ろしい事に、教頭は笑みを讃えたままだ。
その笑みがどこか冷え切っている様に見えるのは、気の所為ではあるまい。
ふーむ、と教頭は思考し、マリーに判決を委ねる様に話し掛ける。
「此度の件、貴女はどう捉える?」
「まぁ、ホグワーツの校長が頭を下げているのだから、良しとしましょう。
ですが校長、前も言いましたよね。次は無いと。
今回、教頭が新たに気に入った方を見つけた良き日として、不問にいたします」
マリーの背後から静かな蒼い炎が、仄かに出ているのをユイは幻視した。
カルデア学院で実権を握っているのは、この2人?
いやそうではないだろう。教頭がいるなら校長もいる筈だ。
ダンブルドアはそれを知っているのか?
ユイの思考が巡らされる中、事態は治まりつつある。しかしその雰囲気を、ぶっ壊すアホがいた。
「ちょっと、私のせいじゃないわよね!? そこのところどうなの!?」
「あら、夢主王道乗っかっている人は、何やってもいいと言う意味不明な発言をした貴女が、それを気にするのですか?」
今度こそマリーが、ナズに冷め切った目を向けた。やっと話が纏まりかけてきたのに、水を差す変な奴がいるのだ当たり前にも程がある。
矛盾を指摘され、ナズが言葉に詰まる。
何も言い返せないナズは、ぎりっと歯軋りし大広間を出て行った。
追いかけようとしたスネイプに、マリーが穏やかに話し掛ける。
先程とは打って変わって、表情は優しいが。
「見たところ、貴方が先程のダンスパートナーよね?」
「あ、ああ」
「手綱はちゃんと握ってなさい。騎手がちゃんとしてないと、馬も落ち着かないんだから。
それと、全て分かってますわよ」
怒りを含んだ口調にスネイプは、半ば青褪めたままナズの後を追って行く。
再び大広間には、何も無かった様にダンスの音楽が鳴り響いた。
教頭と話していると、空気読めない人物が1人やって来た。
会話に無理矢理入られた事に、ユイは気分を害し顔を顰めるが、教頭は笑みを浮かべたままだ。
「ちょっとナズ、私今話して」
「夢主王道乗っかってない奴は、黙ってなさい! ねぇ、教頭先生、私を見て何か思わない?」
ピンクのフリフリドレスを見て、教頭はそうですねと言葉を紡ぐ。
「実に人の視線を集める様な、奇抜なドレスですね。
お相手を待たせているなら、私と話す時間も惜しいのでは?」
つまり話す気無いからどっか行け、と教頭也にオブラートに包んだ表現であった。
数分であるがユイは、教頭の人の成りを理解していた。
彼はあまり本音を相手に突きつける様な人物ではないこと、そして実はそう言った方を怒らせると怖いことも。
そうとも知らずナズはめげずに。
「大丈夫よ。ほら私を見て話すことあるでしょ?
気に入ったとかなんとか」
「申し訳ありませんが、私にも人を選ぶ権利があります。
言い方はアレですが、貴女を見て気にいる方は相当趣味が」
「う、うわぁぁん!」
思い通りにいかない事に業を煮やしたナズが、ガチで地団駄踏んで泣き出した、バカだろ。
ダンスの音楽が鳴り止み、踊っていた面々もどうしたとナズに目を向けた。
「酷い……皆んな、あのブスにばかり目を向けて。
私の方が可愛いし性格良いのに」
さめざめと泣きながら、彼女に勝ち誇った目を向けるナズ。言い返したいのは山々だが、今のナズに何を言っても無駄だろう。
諦めていた時、少しいいかしら? と鈴の鳴る様な声が響く。
白銀の世界の住人と言っても過言でないマリーが、ナズに優しい笑みを讃えたまま言った。
「貴女、誰に物を言っているの?」
「は、え」
「教頭が気に入った人物に目くじらを立てるなんて…………いい度胸ね。
ホグワーツと全面戦争になる引き金を引くのは、貴女になるけどいいのかしら?」
とんでもない物騒な発言を、優しい表情から発せられ周りの皆が息を呑む。
おい謝れ、とナズに揶揄する者も。
目に見えてナズは狼狽えるが。
「わ、私が? は! 夢主王道乗っかっている私はね、何しても許されるのよ!
謝る訳が」
「ならカルデア学院にこの件を持ち帰り、検討しなければ。
マリー、急いで学院に」
「申し訳ない」
話がとんでもない方向に進む中、謝ったのはダンブルドアだ。
「聞く気はないが、一応聞こう。
此度の件、責任を感じているのだな?」
「カルデア学院の実力、儂は理解しておる。ホグワーツの皆が団結しても、勝てない学院だと。ナズの失礼な発言は、儂の監督ミスじゃ」
緊張して皆が見守る中、ダンブルドアは謝罪の意を述べる。恐ろしい事に、教頭は笑みを讃えたままだ。
その笑みがどこか冷え切っている様に見えるのは、気の所為ではあるまい。
ふーむ、と教頭は思考し、マリーに判決を委ねる様に話し掛ける。
「此度の件、貴女はどう捉える?」
「まぁ、ホグワーツの校長が頭を下げているのだから、良しとしましょう。
ですが校長、前も言いましたよね。次は無いと。
今回、教頭が新たに気に入った方を見つけた良き日として、不問にいたします」
マリーの背後から静かな蒼い炎が、仄かに出ているのをユイは幻視した。
カルデア学院で実権を握っているのは、この2人?
いやそうではないだろう。教頭がいるなら校長もいる筈だ。
ダンブルドアはそれを知っているのか?
ユイの思考が巡らされる中、事態は治まりつつある。しかしその雰囲気を、ぶっ壊すアホがいた。
「ちょっと、私のせいじゃないわよね!? そこのところどうなの!?」
「あら、夢主王道乗っかっている人は、何やってもいいと言う意味不明な発言をした貴女が、それを気にするのですか?」
今度こそマリーが、ナズに冷め切った目を向けた。やっと話が纏まりかけてきたのに、水を差す変な奴がいるのだ当たり前にも程がある。
矛盾を指摘され、ナズが言葉に詰まる。
何も言い返せないナズは、ぎりっと歯軋りし大広間を出て行った。
追いかけようとしたスネイプに、マリーが穏やかに話し掛ける。
先程とは打って変わって、表情は優しいが。
「見たところ、貴方が先程のダンスパートナーよね?」
「あ、ああ」
「手綱はちゃんと握ってなさい。騎手がちゃんとしてないと、馬も落ち着かないんだから。
それと、全て分かってますわよ」
怒りを含んだ口調にスネイプは、半ば青褪めたままナズの後を追って行く。
再び大広間には、何も無かった様にダンスの音楽が鳴り響いた。