前夜
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カフェを逃げる様に飛び出した時、既に夕方であった。
平日とあって通勤帰りや学生で、街はごった返している。
スマホのアプリでタクシーを呼んだ際、財布が入っている鞄をカフェに忘れた事に気付く。
だがスマホひとつで支払い済ませられるし、まぁいいかと思考する。
ああ見えて慎二は、かなり面倒見はいい方だ。気付いたら自宅に届けてくれるだろう。
優しい反面、小説に関して厳しい面がある。やはり編集者故、売れる売れないは気にするし気持ち分からなくもない。
が、カフェを出るきっかけになったあの言葉……恐らく、これは君の為を思ってと続けようとしたのだろう。
「……私だって全く最初売れてなかった訳じゃない」
小説家なら誰しもが、最初の作品で賞取りプロ目指す。
2作目や3作目は好調なものの、4作目辺りから売り上げ怪しくなってくる--それがユイである。
電子書籍と合わせても、読んでくれている方は疎だ。
よくある感想が、登場人物変えただけで話の内容や結末は同じ、である。
自覚しているものの、やはりひとつでも良い感想あると変えたくは無くなるものだ。
呼んでいたタクシーが来た時、夕方は終わり告げていた。
「何処まで?」
「冬木市深山長の……」
無愛想な運転手に行き先告げ、目を閉じる。
目を閉じる直前、なんだか暗い森を垣間見た気がした。
「あれ、これユイの鞄だよな?」
カフェで座っていたユイの席に、鞄がある事に気付く。
丁度支払い終えて、カフェ出ようとした時だ。
先程の別れ方は、ちょっとまずい気がした。
鞄届けついでに、ユイに謝ろうと慎二は決意を胸にカフェを出たのだった。
平日とあって通勤帰りや学生で、街はごった返している。
スマホのアプリでタクシーを呼んだ際、財布が入っている鞄をカフェに忘れた事に気付く。
だがスマホひとつで支払い済ませられるし、まぁいいかと思考する。
ああ見えて慎二は、かなり面倒見はいい方だ。気付いたら自宅に届けてくれるだろう。
優しい反面、小説に関して厳しい面がある。やはり編集者故、売れる売れないは気にするし気持ち分からなくもない。
が、カフェを出るきっかけになったあの言葉……恐らく、これは君の為を思ってと続けようとしたのだろう。
「……私だって全く最初売れてなかった訳じゃない」
小説家なら誰しもが、最初の作品で賞取りプロ目指す。
2作目や3作目は好調なものの、4作目辺りから売り上げ怪しくなってくる--それがユイである。
電子書籍と合わせても、読んでくれている方は疎だ。
よくある感想が、登場人物変えただけで話の内容や結末は同じ、である。
自覚しているものの、やはりひとつでも良い感想あると変えたくは無くなるものだ。
呼んでいたタクシーが来た時、夕方は終わり告げていた。
「何処まで?」
「冬木市深山長の……」
無愛想な運転手に行き先告げ、目を閉じる。
目を閉じる直前、なんだか暗い森を垣間見た気がした。
「あれ、これユイの鞄だよな?」
カフェで座っていたユイの席に、鞄がある事に気付く。
丁度支払い終えて、カフェ出ようとした時だ。
先程の別れ方は、ちょっとまずい気がした。
鞄届けついでに、ユイに謝ろうと慎二は決意を胸にカフェを出たのだった。