夕立
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「ただいまです〜……」
「お帰りと言いたいが、それどころではないようだね」
夕飯の買い出しに行っていた、テスカトリポカとユイを出迎えたシャーロックが、力無く帰宅を告げた彼女に苦笑する。
と言うのも、2人共全身ずぶ濡れだったからだ。
「コンビニの帰り丁度に、雨に遭ってしまいまして」
「災難だったね。買って来た食材は」
「この通りです」
勿論、こちらもずぶ濡れである。乾かせばどうにか使えないことはないが、それよりも。
「テスカトリポカ、君は霊体化しなかったのかい?
すれば雨くらいは、凌げたのではないかな?」
「こっちにも事情があんだよ。
それより、風呂だ風呂」
「マスターが先に入るべきでは?」
早く湯船に浸かりたかったのか、先に玄関に足を踏み入れようとした、テスカトリポカが目に見えて固まる。
ユイは後で構いませんよ、と口にした。
「食材も乾かしたいですし。着替えて髪もタオルで拭けば、我慢出来ますし」
「なんなら、一緒に入ると言う手もあるが。
私が食材を乾かすからね」
冗談で口にしたシャーロックの言葉に、2人は「は?」と言った表情になる。
「お前、本気で言ってんのか?」
「君にはそんな事、出来ないのだろう?」
「分かってて口にすんな! 高杉以上に気にくわねぇ!!」
荒ぶったジャガーの様に反抗するテスカトリポカを、涼しい表情でシャーロックは眺めていた。
絶対楽しんでますよね、シャーロックさん……いや、それよりも!
「あの結局、私どうしたら?」
「先に入れ!! シャーロックの思い通りになるのは、癪だがな!!」
「ほう。私とやる気かな?
推理なら負けないが」
殺伐とした2人を残しユイは先に言葉に甘えて、風呂へと向かった。
「夕方にお風呂って、あまりないよね」
身体を洗い髪も清めて、さっぱりした心地でユイは湯船に浸かる。
いつも風呂に入るのは、夜になってからだったので、夕方に入るのは妙な心地だ。
だからか、余計な考えに耽ってしまう。
「もしマセルがマスターだったら、テスカトリポカさん達は、あっちの方に好意を寄せていたのかな……」
気にするなと言われても、やはり気にしてしまうのがユイの悪い所。
彼らが好意を寄せてくれているのは、薄々ながらも実感している。
それを感じない程、ユイは鈍感ではない。
だがやはり、どうしても考えてしまう。
マセルがマスターだったら、と。
「私はマセルさんと違って可愛くないし、胸だって無いし……うう、自分が嫌になる」
ブクブクと湯船を口までつけながら、そうボヤく。
彼らがマセルに対して嫌悪を示しているが、果たして逆ならどうなっていたか。
マセルがマスターで、ユイが魔術も知らない一般人だったら。
どうしてこうも、マセルと比較してしまうのだろう?
彼らに好意を寄せているのが、身近にマセルしかいないから?
「そうとしか思えないよね……。
うん、考えるのはやめよう。考えたら益々自分が嫌になりそう」
強引にではあるが、ユイは湯船に浸かる事に集中する事で、考えを終わらせた。
「お帰りと言いたいが、それどころではないようだね」
夕飯の買い出しに行っていた、テスカトリポカとユイを出迎えたシャーロックが、力無く帰宅を告げた彼女に苦笑する。
と言うのも、2人共全身ずぶ濡れだったからだ。
「コンビニの帰り丁度に、雨に遭ってしまいまして」
「災難だったね。買って来た食材は」
「この通りです」
勿論、こちらもずぶ濡れである。乾かせばどうにか使えないことはないが、それよりも。
「テスカトリポカ、君は霊体化しなかったのかい?
すれば雨くらいは、凌げたのではないかな?」
「こっちにも事情があんだよ。
それより、風呂だ風呂」
「マスターが先に入るべきでは?」
早く湯船に浸かりたかったのか、先に玄関に足を踏み入れようとした、テスカトリポカが目に見えて固まる。
ユイは後で構いませんよ、と口にした。
「食材も乾かしたいですし。着替えて髪もタオルで拭けば、我慢出来ますし」
「なんなら、一緒に入ると言う手もあるが。
私が食材を乾かすからね」
冗談で口にしたシャーロックの言葉に、2人は「は?」と言った表情になる。
「お前、本気で言ってんのか?」
「君にはそんな事、出来ないのだろう?」
「分かってて口にすんな! 高杉以上に気にくわねぇ!!」
荒ぶったジャガーの様に反抗するテスカトリポカを、涼しい表情でシャーロックは眺めていた。
絶対楽しんでますよね、シャーロックさん……いや、それよりも!
「あの結局、私どうしたら?」
「先に入れ!! シャーロックの思い通りになるのは、癪だがな!!」
「ほう。私とやる気かな?
推理なら負けないが」
殺伐とした2人を残しユイは先に言葉に甘えて、風呂へと向かった。
「夕方にお風呂って、あまりないよね」
身体を洗い髪も清めて、さっぱりした心地でユイは湯船に浸かる。
いつも風呂に入るのは、夜になってからだったので、夕方に入るのは妙な心地だ。
だからか、余計な考えに耽ってしまう。
「もしマセルがマスターだったら、テスカトリポカさん達は、あっちの方に好意を寄せていたのかな……」
気にするなと言われても、やはり気にしてしまうのがユイの悪い所。
彼らが好意を寄せてくれているのは、薄々ながらも実感している。
それを感じない程、ユイは鈍感ではない。
だがやはり、どうしても考えてしまう。
マセルがマスターだったら、と。
「私はマセルさんと違って可愛くないし、胸だって無いし……うう、自分が嫌になる」
ブクブクと湯船を口までつけながら、そうボヤく。
彼らがマセルに対して嫌悪を示しているが、果たして逆ならどうなっていたか。
マセルがマスターで、ユイが魔術も知らない一般人だったら。
どうしてこうも、マセルと比較してしまうのだろう?
彼らに好意を寄せているのが、身近にマセルしかいないから?
「そうとしか思えないよね……。
うん、考えるのはやめよう。考えたら益々自分が嫌になりそう」
強引にではあるが、ユイは湯船に浸かる事に集中する事で、考えを終わらせた。