重症
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シャーロックと怪物による猛攻は、正に圧巻であった。
シャーロックは次から次へと蜘蛛の怪物から放たれる無数の足を、殆ど物理で跳ね除けるのだから。
あれがシャーロックの得意技であるバリツだよね?
小説で読んだ事はあるものの、実際に目にするのは違う。
想像力皆無だから、どんな技か文字だけでは分からなかったし。
怪物はシャーロックから放たれるバリツに、とうとう動きが鈍くなりつつある。
最初は意気揚々とシャーロックに攻撃を仕掛けていたが。
これはイケる! と思わず思考したのが仇となった。
怪物の無数の目が、防御などガラ空きなユイに目を向けて来たからだ。
頭の悪そうな怪物でも、それは見抜けるのだろう。
瞬時にして怪物は、路地裏の建物を這い回ってユイに迫り来る。
「あっ……」
我ながら情けない声が上がる。
防御魔術でも覚えればよかった、と彼女は死を覚悟してそう思った。
「無事か、マスター」
「シャーロック……!?」
怪物から死の攻撃が放たれるかと思ったが、目の前にシャーロックがいた。
彼の背後には、勝ちを確信した咆哮を放つ蜘蛛の怪物が。
シャーロックの息遣いは荒く、おまけに頭から血を垂れ流していた。
それだけではない。ユイが受ける筈だった攻撃を、シャーロックが一身に受けたのだ。
葛折れる彼の背中を確認すると、そこにはパックリと怪物の足に抉られた傷があった。
一目で骨に達しているであろう事は、容易だ。
これは完全に詰んだ。防御魔術すら使えず、シャーロックは重症。
誰のせいでもないのは自覚しているが、やはりこの事態を招いたのはユイだ。
怪物は舌舐めずりする気配を漂わせながら、彼女に近付いて来る。
わざと遅くなのは、獲物が怯えているのを楽しむ為か。
今度こそ死を確信した瞬間、やけに楽しげな声が何処からか割り込んで来た。
「楽しそうだな、僕も混ぜてくれよ」
一陣の白い光が、蜘蛛の怪物の胴体を貫いた。
呆気なく怪物は倒れ、景色が元に戻る。
紅い世界は消え、怪物は灰となって消えた。
ピクリとも動かないシャーロックを、肩で抱きながら彼女は声の主を捜す。
テスカトリポカの声ではなかった。
「やぁ、君がその探偵のマスターだよね?」
背後から聞こえて来た声に、ユイは振り向く。
そこに赤髪と、髪と同じ色の瞳を持つ、この時代には不似合いな着物を着た青年が立っていた。
シャーロックは次から次へと蜘蛛の怪物から放たれる無数の足を、殆ど物理で跳ね除けるのだから。
あれがシャーロックの得意技であるバリツだよね?
小説で読んだ事はあるものの、実際に目にするのは違う。
想像力皆無だから、どんな技か文字だけでは分からなかったし。
怪物はシャーロックから放たれるバリツに、とうとう動きが鈍くなりつつある。
最初は意気揚々とシャーロックに攻撃を仕掛けていたが。
これはイケる! と思わず思考したのが仇となった。
怪物の無数の目が、防御などガラ空きなユイに目を向けて来たからだ。
頭の悪そうな怪物でも、それは見抜けるのだろう。
瞬時にして怪物は、路地裏の建物を這い回ってユイに迫り来る。
「あっ……」
我ながら情けない声が上がる。
防御魔術でも覚えればよかった、と彼女は死を覚悟してそう思った。
「無事か、マスター」
「シャーロック……!?」
怪物から死の攻撃が放たれるかと思ったが、目の前にシャーロックがいた。
彼の背後には、勝ちを確信した咆哮を放つ蜘蛛の怪物が。
シャーロックの息遣いは荒く、おまけに頭から血を垂れ流していた。
それだけではない。ユイが受ける筈だった攻撃を、シャーロックが一身に受けたのだ。
葛折れる彼の背中を確認すると、そこにはパックリと怪物の足に抉られた傷があった。
一目で骨に達しているであろう事は、容易だ。
これは完全に詰んだ。防御魔術すら使えず、シャーロックは重症。
誰のせいでもないのは自覚しているが、やはりこの事態を招いたのはユイだ。
怪物は舌舐めずりする気配を漂わせながら、彼女に近付いて来る。
わざと遅くなのは、獲物が怯えているのを楽しむ為か。
今度こそ死を確信した瞬間、やけに楽しげな声が何処からか割り込んで来た。
「楽しそうだな、僕も混ぜてくれよ」
一陣の白い光が、蜘蛛の怪物の胴体を貫いた。
呆気なく怪物は倒れ、景色が元に戻る。
紅い世界は消え、怪物は灰となって消えた。
ピクリとも動かないシャーロックを、肩で抱きながら彼女は声の主を捜す。
テスカトリポカの声ではなかった。
「やぁ、君がその探偵のマスターだよね?」
背後から聞こえて来た声に、ユイは振り向く。
そこに赤髪と、髪と同じ色の瞳を持つ、この時代には不似合いな着物を着た青年が立っていた。