渇望
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「にしても、アンタ随分明るくなったね。来た時は暗かったのに」
「ありがとうございます」
場所はアメリカの片田舎にある町、アンブローズ。
アンブローズは田舎町ではあるものの、映画館もあるし喫茶店やペットショップもある。
1番の目玉は、ヴィンセント・シンクレア作の蝋人形が展示されている、蝋人形の館だろう。
朝10時から夕方17時までと言う営業時間であるが、中々客は入っている。
平日は疎だが、世間の休みの日になると多くの観光客が、蝋人形の館を観にアンブローズを訪れてくるのだ。
ヴィンセントは蝋人形の館から数キロ離れた所に、木造の2階建ての家を持っている。
2階建てであるが、蝋人形を作成する地下もあり、おまけに直接蝋人形の館に行ける道も存在していた。
まさにそんな豪華な家を持つヴィンセントには、1人の兄がいる。
その兄の名前は、ボー・シンクレア。
ユイがチャールズ・リー・レイの養子となり、彼の紹介で出会ったのがボーだ。
互いに平穏を望む同士、意気投合し自然に付き合う様になった。
が、いつスネイプやダンブルドアが追いかけて来るから分からない恐怖から、彼女はいきなり泣き出す事が多かったのが常。
そんな彼女を見捨てる事なく、ボーは甲斐甲斐しく面倒を見てくれた。
そして明るい表情を取り戻し、ユイは現在に至る。
チャールズの恋人であるティファニーに明るくなったと言われて、彼女は礼を言う。
「折角アンタの彼氏に会いに来たのにいないだなんて」
「買い出しに行ってるんです。多分もうすぐ戻って来ますよ」
コーヒーでも飲んで待ってますか、と問い掛けると、ティファニーは嬉しそうに頷く。
「アンタの淹れるコーヒー、本当に美味しいのよね。
なんかコツとかあるの?」
「アメリカ産の豆を使ってて……あ、帰って来たみたいです」
買い物袋をぶら下げて帰って来たのは、彼女の恋人であるボーだ。
付き添いのヴィンセントもいる。
「帰って来たぞ。つか、ヴィンセントも持てよ」
「1度持ったら兄さん、2度と持たないじゃん」
なんだとこの野郎とボーがヴィンセントに怒る様子は、いつもの事だ。
「ちょっとアンタ達」
「げっ、いたのかよ! ユイ、追い出せよこいつ!」
お客様だから無理ですよ、と曖昧に笑う。
嫌がるボーとは裏腹に、ヴィンセントはただ黙ってティファニーに頭を下げていた。
彼女がチャールズの養子となり、アンブローズに向かったのは、1ヶ月前だ。
テスカトリポカの元へ行こうかベッドで考えあぐねていると、ストレンジがチャールズを連れて部屋に入って来た。
「私を養子に?」
「ここにいては、いずれあのクソ野郎共が追ってくるだろ。ここより田舎だが、アンブローズに行こうかと思ってな」
チャールズ曰く、アンブローズに知り合いがいるので、そちらに保護してもらってはと言う事だ。
チャールズの養子となるので、金財面もどうにかしてくれるとの事。
これに頷くと、なら早速行こうと提案する。
「準備出来たら行くぞ。奴らに追いつかれる前にな」
アンブローズに着いてチャールズの知り合いである、シンクレア兄弟に出会った。
弟は有名な蝋人形家であるが、対する兄は想い人に振られたとかで、かなり捻くれていた。
が、チャールズにユイをこれから頼むと言われ、兄の方は多少態度を改める。
これが、兄のボーとユイが出会うきっかけであり、付き合う事になるのだった。
夕食終わり、ボーから話があると言われた。
「ヴィンセントも残れ。ティファニー、お前は帰れ」
「なんでよ! 別にいてもいいじゃない!」
「帰れ」
意地でも譲らないボーを見て、無理だと悟ったのか彼女は全くと捻くれて帰った。
彼女が出たのを見届け、ボーは躊躇う事なくユイに言う。
「買い物途中、お前を追っているスネイプの野郎を見た」
「え?」
「アンブローズのモーテルに入る所を、ヴィンセントが見たんだ。
間違いないよな」
困惑するユイを他所に、ボーが問い掛けるとヴィンセントは頷く。
とうとう追いかけて来た。
私はまた悪夢を見なければならないのか…………。
「……や」
「ユイ?」
「もういや! イヤなの!!」
泣きじゃくる彼女をボーが宥めるが、泣き止む気配はない。
やがて糸が切れた人形の様に、彼女は気を失った。
「兄さん。僕らだけじゃ駄目だよ」
「奴らを招集するってのか。その件について足は洗っただろ」
気を失った彼女を見つめながら、ボーは力無くヴィンセントに言い返す。
だがヴィンセントは譲らない。
「チャールズに手紙書いて、彼らを読んで貰おう。
これで兄さんが手を汚すのは、最後にしていい」
ヴィンセントの言葉に、ボーは復讐の炎を目に宿して、そうだなと首を縦に振った。
「ありがとうございます」
場所はアメリカの片田舎にある町、アンブローズ。
アンブローズは田舎町ではあるものの、映画館もあるし喫茶店やペットショップもある。
1番の目玉は、ヴィンセント・シンクレア作の蝋人形が展示されている、蝋人形の館だろう。
朝10時から夕方17時までと言う営業時間であるが、中々客は入っている。
平日は疎だが、世間の休みの日になると多くの観光客が、蝋人形の館を観にアンブローズを訪れてくるのだ。
ヴィンセントは蝋人形の館から数キロ離れた所に、木造の2階建ての家を持っている。
2階建てであるが、蝋人形を作成する地下もあり、おまけに直接蝋人形の館に行ける道も存在していた。
まさにそんな豪華な家を持つヴィンセントには、1人の兄がいる。
その兄の名前は、ボー・シンクレア。
ユイがチャールズ・リー・レイの養子となり、彼の紹介で出会ったのがボーだ。
互いに平穏を望む同士、意気投合し自然に付き合う様になった。
が、いつスネイプやダンブルドアが追いかけて来るから分からない恐怖から、彼女はいきなり泣き出す事が多かったのが常。
そんな彼女を見捨てる事なく、ボーは甲斐甲斐しく面倒を見てくれた。
そして明るい表情を取り戻し、ユイは現在に至る。
チャールズの恋人であるティファニーに明るくなったと言われて、彼女は礼を言う。
「折角アンタの彼氏に会いに来たのにいないだなんて」
「買い出しに行ってるんです。多分もうすぐ戻って来ますよ」
コーヒーでも飲んで待ってますか、と問い掛けると、ティファニーは嬉しそうに頷く。
「アンタの淹れるコーヒー、本当に美味しいのよね。
なんかコツとかあるの?」
「アメリカ産の豆を使ってて……あ、帰って来たみたいです」
買い物袋をぶら下げて帰って来たのは、彼女の恋人であるボーだ。
付き添いのヴィンセントもいる。
「帰って来たぞ。つか、ヴィンセントも持てよ」
「1度持ったら兄さん、2度と持たないじゃん」
なんだとこの野郎とボーがヴィンセントに怒る様子は、いつもの事だ。
「ちょっとアンタ達」
「げっ、いたのかよ! ユイ、追い出せよこいつ!」
お客様だから無理ですよ、と曖昧に笑う。
嫌がるボーとは裏腹に、ヴィンセントはただ黙ってティファニーに頭を下げていた。
彼女がチャールズの養子となり、アンブローズに向かったのは、1ヶ月前だ。
テスカトリポカの元へ行こうかベッドで考えあぐねていると、ストレンジがチャールズを連れて部屋に入って来た。
「私を養子に?」
「ここにいては、いずれあのクソ野郎共が追ってくるだろ。ここより田舎だが、アンブローズに行こうかと思ってな」
チャールズ曰く、アンブローズに知り合いがいるので、そちらに保護してもらってはと言う事だ。
チャールズの養子となるので、金財面もどうにかしてくれるとの事。
これに頷くと、なら早速行こうと提案する。
「準備出来たら行くぞ。奴らに追いつかれる前にな」
アンブローズに着いてチャールズの知り合いである、シンクレア兄弟に出会った。
弟は有名な蝋人形家であるが、対する兄は想い人に振られたとかで、かなり捻くれていた。
が、チャールズにユイをこれから頼むと言われ、兄の方は多少態度を改める。
これが、兄のボーとユイが出会うきっかけであり、付き合う事になるのだった。
夕食終わり、ボーから話があると言われた。
「ヴィンセントも残れ。ティファニー、お前は帰れ」
「なんでよ! 別にいてもいいじゃない!」
「帰れ」
意地でも譲らないボーを見て、無理だと悟ったのか彼女は全くと捻くれて帰った。
彼女が出たのを見届け、ボーは躊躇う事なくユイに言う。
「買い物途中、お前を追っているスネイプの野郎を見た」
「え?」
「アンブローズのモーテルに入る所を、ヴィンセントが見たんだ。
間違いないよな」
困惑するユイを他所に、ボーが問い掛けるとヴィンセントは頷く。
とうとう追いかけて来た。
私はまた悪夢を見なければならないのか…………。
「……や」
「ユイ?」
「もういや! イヤなの!!」
泣きじゃくる彼女をボーが宥めるが、泣き止む気配はない。
やがて糸が切れた人形の様に、彼女は気を失った。
「兄さん。僕らだけじゃ駄目だよ」
「奴らを招集するってのか。その件について足は洗っただろ」
気を失った彼女を見つめながら、ボーは力無くヴィンセントに言い返す。
だがヴィンセントは譲らない。
「チャールズに手紙書いて、彼らを読んで貰おう。
これで兄さんが手を汚すのは、最後にしていい」
ヴィンセントの言葉に、ボーは復讐の炎を目に宿して、そうだなと首を縦に振った。
