不毛で優しく包まれる
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「大丈夫か、お嬢?」
「ちょっと大丈夫じゃないかも」
テスカトリポカがユイの部屋に入って声掛けると、力無い返事が返って来る。
手近にある椅子を引き寄せて座り、ユイの額に手を当てた。
「熱、はねぇな。軽い風邪か?」
「かもしれません」
ユイが風邪かもしれないと訴えたのは今朝の事。
この日ストレンジは、朝早くから医院に行っていていなかった。
起きたら身体が怠く、立つのもしんどいとテスカトリポカに言って来たのだ。
幸いヴィクターの助手としての仕事は入っていなかったので、彼女を看病することにした。
「ごめんね、貴重な休み無駄にして」
「気にすんなよ。職場には連絡したのか?」
「うん。言うのちょっと怖かったけど、明日も休みにするから、治して復帰してね言われた」
今にも消え入りそうな笑み浮かべるユイは、本当にしんどそうであった。
テスカトリポカはそんな彼女の髪を軽く撫で、だったら早く治せよオレの為にもと優しい声音で言う。
これに彼女は少し恥ずかしながら、
「じゃ、手握って」
「手を?」
「そうすれば早く治る気するから」
ん、と布団の中から片手を出す。
躊躇いなく差し出された手を握ると、彼女は安心したように微笑み、やがて柔らかな寝息が聞こえた。
これは次に起きたら治っているかもしれないな、とテスカトリポカは確信する。
「治ってオレを安心させろよ、お嬢。
起きたら思う存分、甘やかしてやるからよ」
ユイの額に軽くキスを落としたテスカトリポカは握った手をそっと離し、部屋から出て行った。
テスカトリポカの予測通り、彼女は元気を取り戻していた。
(了)
「ちょっと大丈夫じゃないかも」
テスカトリポカがユイの部屋に入って声掛けると、力無い返事が返って来る。
手近にある椅子を引き寄せて座り、ユイの額に手を当てた。
「熱、はねぇな。軽い風邪か?」
「かもしれません」
ユイが風邪かもしれないと訴えたのは今朝の事。
この日ストレンジは、朝早くから医院に行っていていなかった。
起きたら身体が怠く、立つのもしんどいとテスカトリポカに言って来たのだ。
幸いヴィクターの助手としての仕事は入っていなかったので、彼女を看病することにした。
「ごめんね、貴重な休み無駄にして」
「気にすんなよ。職場には連絡したのか?」
「うん。言うのちょっと怖かったけど、明日も休みにするから、治して復帰してね言われた」
今にも消え入りそうな笑み浮かべるユイは、本当にしんどそうであった。
テスカトリポカはそんな彼女の髪を軽く撫で、だったら早く治せよオレの為にもと優しい声音で言う。
これに彼女は少し恥ずかしながら、
「じゃ、手握って」
「手を?」
「そうすれば早く治る気するから」
ん、と布団の中から片手を出す。
躊躇いなく差し出された手を握ると、彼女は安心したように微笑み、やがて柔らかな寝息が聞こえた。
これは次に起きたら治っているかもしれないな、とテスカトリポカは確信する。
「治ってオレを安心させろよ、お嬢。
起きたら思う存分、甘やかしてやるからよ」
ユイの額に軽くキスを落としたテスカトリポカは握った手をそっと離し、部屋から出て行った。
テスカトリポカの予測通り、彼女は元気を取り戻していた。
(了)
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