白花
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「その小さな身体で何が出来ると!? どいつもこいつも、我輩があと一歩のところでユイを救い出せるところを、邪魔しおって!」
スネイプの必死な叫びを、カズラドロップと言う少女は鼻で笑う。
「もうあのナズと同じで問い掛け多い方ですねぇ。色々言いたい事ありますが、さっさと終わらせましょうか。
ここまでしぶとく命賭けてきた貴方は賞賛に値しますが、いずれ忘れされるだろうし」
その言葉と共に、ナズを包んだあの黒い球体が出現し、スネイプ包み込む。
正に突然の事で、スネイプに反抗の余地など無かった。
球体の中から、スネイプの叫び声が。
「何だこれは……い、痛いッ! ユイ、助けてくれ!」
「…………ッ!!」
「助けなくとも構いませんよ。貴女を助けに来たくせに、いざ命賭す事になったら助け求める愚公など、助ける義理はありません」
思わず助けようと駆け出しそうなったユイの身体を、教頭--カリオストロは、背後から愛しむように抱きしめる。
内容はともかくとして、優しい声音で言われれば、助ける気など毛頭に無くなってきた。
スネイプがただ悲鳴と共に、黒い球体と消え去るのをカリオストロの腕の中で、ユイは無表情で眺めた。
「何処だ、ここは?」
「寝惚けた事を。ニワトコの杖は何処だ?」
場所は恐らく何処かのボートハウスだ。
そして目の前には、死んだ筈の例のあの人。
「答えるまで、苦しみの呪文が必要の様だなセブルス」
「わ、我輩には分かりません! に、ニワトコの杖など本当に何も!」
「なら思い出すまで苦しみの呪文をするまでだ。
言っておくが、助けは来ないぞ。ホグワーツは、俺の監視下に置かれたからな」
カズラドロップによって飛ばされた世界は、ホグワーツが例のあの人の手の中に収まった、所謂マルチバースの世界。
つまり誰もが例のあの人に従い、裏切る世界など存在しないのだ。
セブルス・スネイプは、例のあの人に屈するしかない世界で、誰の助けも無く生きる事になる。
それは奇しくも、ユイがホグワーツにやって来た状況と似たものだった。
スネイプが悲鳴と共に消え去ったのを見届けて、ユイは膝から崩れ落ちる。
側にいる"愛しの“カリオストロを見上げ、
「これでようやく終わったのですか?」
不安気に問い掛ける。
これに対しカリオストロは、和かにだが残酷に告げた。
「あの黒い方に関しては、ですよ。しかしまだホグワーツとの戦争が残っています。
それさえ終われば、貴女は全てから解放されるでしょう」
「…………そう、全てから--なら」
途端、ユイの目が紅身を帯びた。
彼女が神々しくも、歪な光纏いながら立ち上がるのを見て、ほぅと満足気な吐息をカリオストロは吐く。
「躊躇いなくキサラギの末裔の力を使われるとは……これで貴女も完全に、あの学校と敵対する訳ですか」
「過去の私が託してきた想いを、無碍にはしない。
私は愛おしい貴方と、そして私の大切にして来た人の為に彼らを」
殺しますと、静かに厳かに告げる。
その様見て、カズラドロップが嗤う。
「うふふ、正に私好みのシチュエーションですね。
キサラギの力を行使し、私達とあの学校を滅ぼしたら、アナタはこれからどうなるのでしょうね」
「貴方達の為なら、私が破滅しようとも構いません。
さぁ、行きましょう。
全てに終止符を打ち、悔いなく終わらせます」
目を更に紅く光らせた彼女は、正にキサラギの末裔と化していた。
最早誰にも止める事など出来ない、側にいるカリオストロですら。
ホグワーツを全て破壊し尽くした彼女が想うのは、後悔か果たして歓喜か。
それはユイだけにしか分からない。
「それでは始めましょうか。
革命と言う名の宴を」
カリオストロの言葉に、彼女は紅い目を光らせて残酷に嗤った。
カリオストロルート(完)→「イメージング:『白花/鈴木このみ』」
スネイプの必死な叫びを、カズラドロップと言う少女は鼻で笑う。
「もうあのナズと同じで問い掛け多い方ですねぇ。色々言いたい事ありますが、さっさと終わらせましょうか。
ここまでしぶとく命賭けてきた貴方は賞賛に値しますが、いずれ忘れされるだろうし」
その言葉と共に、ナズを包んだあの黒い球体が出現し、スネイプ包み込む。
正に突然の事で、スネイプに反抗の余地など無かった。
球体の中から、スネイプの叫び声が。
「何だこれは……い、痛いッ! ユイ、助けてくれ!」
「…………ッ!!」
「助けなくとも構いませんよ。貴女を助けに来たくせに、いざ命賭す事になったら助け求める愚公など、助ける義理はありません」
思わず助けようと駆け出しそうなったユイの身体を、教頭--カリオストロは、背後から愛しむように抱きしめる。
内容はともかくとして、優しい声音で言われれば、助ける気など毛頭に無くなってきた。
スネイプがただ悲鳴と共に、黒い球体と消え去るのをカリオストロの腕の中で、ユイは無表情で眺めた。
「何処だ、ここは?」
「寝惚けた事を。ニワトコの杖は何処だ?」
場所は恐らく何処かのボートハウスだ。
そして目の前には、死んだ筈の例のあの人。
「答えるまで、苦しみの呪文が必要の様だなセブルス」
「わ、我輩には分かりません! に、ニワトコの杖など本当に何も!」
「なら思い出すまで苦しみの呪文をするまでだ。
言っておくが、助けは来ないぞ。ホグワーツは、俺の監視下に置かれたからな」
カズラドロップによって飛ばされた世界は、ホグワーツが例のあの人の手の中に収まった、所謂マルチバースの世界。
つまり誰もが例のあの人に従い、裏切る世界など存在しないのだ。
セブルス・スネイプは、例のあの人に屈するしかない世界で、誰の助けも無く生きる事になる。
それは奇しくも、ユイがホグワーツにやって来た状況と似たものだった。
スネイプが悲鳴と共に消え去ったのを見届けて、ユイは膝から崩れ落ちる。
側にいる"愛しの“カリオストロを見上げ、
「これでようやく終わったのですか?」
不安気に問い掛ける。
これに対しカリオストロは、和かにだが残酷に告げた。
「あの黒い方に関しては、ですよ。しかしまだホグワーツとの戦争が残っています。
それさえ終われば、貴女は全てから解放されるでしょう」
「…………そう、全てから--なら」
途端、ユイの目が紅身を帯びた。
彼女が神々しくも、歪な光纏いながら立ち上がるのを見て、ほぅと満足気な吐息をカリオストロは吐く。
「躊躇いなくキサラギの末裔の力を使われるとは……これで貴女も完全に、あの学校と敵対する訳ですか」
「過去の私が託してきた想いを、無碍にはしない。
私は愛おしい貴方と、そして私の大切にして来た人の為に彼らを」
殺しますと、静かに厳かに告げる。
その様見て、カズラドロップが嗤う。
「うふふ、正に私好みのシチュエーションですね。
キサラギの力を行使し、私達とあの学校を滅ぼしたら、アナタはこれからどうなるのでしょうね」
「貴方達の為なら、私が破滅しようとも構いません。
さぁ、行きましょう。
全てに終止符を打ち、悔いなく終わらせます」
目を更に紅く光らせた彼女は、正にキサラギの末裔と化していた。
最早誰にも止める事など出来ない、側にいるカリオストロですら。
ホグワーツを全て破壊し尽くした彼女が想うのは、後悔か果たして歓喜か。
それはユイだけにしか分からない。
「それでは始めましょうか。
革命と言う名の宴を」
カリオストロの言葉に、彼女は紅い目を光らせて残酷に嗤った。
カリオストロルート(完)→「イメージング:『白花/鈴木このみ』」
