白花
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教頭との戦いはまさに過酷--その一言に尽きる。
しかもこれだけ派手な戦いしているに限らず、誰も注意向けない。
恐らく、この戦いを事前に予期し、教頭が結界を張ったのだろう。
それもアメリカ全土覆う、大規模な結界を。
「はぁ……はぁ」
「おや、もうお遊び終わりですか」
教頭の杖の様な物で、身体をあちこち擦り切れられたストレンジは、膝付き荒い息吐く。
当の奴は、涼しい表情でそんな彼を見下ろしている。
教頭はストレンジよりも大柄で筋肉質である筈なのに、意外に行動早く、繰り出す技も見た事ないばかり。
杖の様な物は、剣に変わりおまけに大きさも変えられると見た。
所謂、杖剣と言うものだろう。
ユイはずっと俯いて、微動だにしない。
ストレンジのピンチにも動きしないところ見るに完全に戦意喪失か、それとも……。
いや構うものか、彼女をカルデアに行かせる訳にいかない。
歯食い縛り、立ちあがろうとするが。
身体が熱くなり、手と足に力入らなくなる。
おまけに目の奥が、痺れる様に熱い。
何だこれは、と自問するストレンジに、教頭は効いてきましたかと呟く。
「は、何だこれは……」
「杖の先に、毒を塗らせて頂きました。
私が何の策も無しに、貴方に挑むと思いましたか?」
にっこりと悪意ない笑みで言うのだから、本当にタチ悪い。
ストレンジは身体にある毒を少しでも遅らそうと、心臓や手足の筋肉使って堰き止めようとするも。
「させませんよ」
いつの間にか、ストレンジの背後にいた教頭に、冷酷な声音と共に杖の先が心臓射抜く。
「ガッ……ウゥッ」
杖の先が無情に射抜かれ、止血が止まらない。
それでも立ちあがろうとするストレンジに、さしもの教頭も困惑隠し切れていなかった。
「ほう、まだお立ちになるか」
「手足を失っても、俺はお前と戦う。
彼女を、お前たちに渡さな……」
突如、乾いた発砲音が。
それが銃打った音だと、再び心臓を射抜かれてストレンジは気付く。
何故、自分が撃たれる?
そもそも銃を持った人物など。
ストレンジははたと気付く。
ユイの使い魔で、銃を持ち歩いているあの金髪の使い魔を--。
「5日後に、教頭が来ます」
「は?」
それは教頭がストレンジの家を訪れる、5日前のこと。
夜にユイは、テスカトリポカの部屋を訪れていた。
「何で分かるんだよ、そんな事。アイツと同じ様に、お得意の未来予知か」
アイツ、とは彼らと過ごしてすっかり名前聞かなくなった、ナズの事である。
そういえば、あの子も未来が分かる様な発言していた。
結局、その作品云々理解など出来なかったが。
これにいえ、と彼女は首振る。
「手紙が来たんです、教頭から。
迎えに来ると」
「……お前、もしかして行くのか?」
ベッドで隣り合って腰掛けているテスカトリポカが、どこか不安そうに彼女を見つめる。
「無論、行くつもり。でもそうしたら、止めるでしょうね彼は」
ストレンジなら多分、いや絶対止める筈だ。
そうなれば、教頭との戦闘は必須だろう。
ユイの勘であるが、恐らくストレンジは負ける。
あの得体知れない校長の強さ、或いは同類だ。
「俺にどうしろってんだ」
「意外ですね。てっきり貴方も止めると」
「俺はお前の味方だ。ストレンジの野郎は、別にどうでもいい。お前が殺せと言わなかったから、そうしてただけだ」
キッパリ言い切る彼からは、嘘の気配が無い。
本当に最初から、ユイの味方だったのだ。
「そんな事言われたら、好きになりますよ」
「こんな夜に訪れて来たから、てっきり俺はそっちの方だと思ってたんだがな」
意外にも真面目に返され、ユイは何も言えなくなる。
が、こんな会話しに来た訳でない。
取り繕う様に咳払いした後、
「彼--ストレンジが負けそうになった時、もしくは致命傷負わされた時は、貴方の手で終わらせてほしいんです」
誰の命をとは、言わなくてもテスカトリポカには分かった。
ビルの屋上からストレンジを撃った張本人--テスカトリポカは、弾が命中したのを確認する。
「まさか、当たるとは思わなかったなぁ。
銃は苦手なんだが」
言いながらテスカトリポカは、銃に手斧が付いた如何にも素人が扱い難い銃を、懐に仕舞う。
銃は苦手だが、それでも好きなのが彼だ。
ストレンジを撃てとユイに言われた時、対して躊躇いなど無かった。
別に彼の味方でないし、それに最初から彼女の側だったから。
ストレンジと過ごした恩はあるとは言え、マスターであるユイの命だとしたら、話は別だ。
「アイツはもう完全に、カルデア側に付く事にしたか。
アイツらも、厄介な奴敵に回したなぁ」
アイツらとは、勿論ホグワーツの事だ。
カルデアがアイツらと戦えば、勝つのはカルデアだろう。
そこにユイ加われば、未来など無いも同然。
つまらない思考を振り払う様に頭振った後、テスカトリポカはその場を立ち去る。
カルデアとホグワーツ………どっちが勝つかなど、興味は無い。
ただどちらの味方かと言えば、テスカトリポカは彼女が付く側だとハッキリ言えた。
しかもこれだけ派手な戦いしているに限らず、誰も注意向けない。
恐らく、この戦いを事前に予期し、教頭が結界を張ったのだろう。
それもアメリカ全土覆う、大規模な結界を。
「はぁ……はぁ」
「おや、もうお遊び終わりですか」
教頭の杖の様な物で、身体をあちこち擦り切れられたストレンジは、膝付き荒い息吐く。
当の奴は、涼しい表情でそんな彼を見下ろしている。
教頭はストレンジよりも大柄で筋肉質である筈なのに、意外に行動早く、繰り出す技も見た事ないばかり。
杖の様な物は、剣に変わりおまけに大きさも変えられると見た。
所謂、杖剣と言うものだろう。
ユイはずっと俯いて、微動だにしない。
ストレンジのピンチにも動きしないところ見るに完全に戦意喪失か、それとも……。
いや構うものか、彼女をカルデアに行かせる訳にいかない。
歯食い縛り、立ちあがろうとするが。
身体が熱くなり、手と足に力入らなくなる。
おまけに目の奥が、痺れる様に熱い。
何だこれは、と自問するストレンジに、教頭は効いてきましたかと呟く。
「は、何だこれは……」
「杖の先に、毒を塗らせて頂きました。
私が何の策も無しに、貴方に挑むと思いましたか?」
にっこりと悪意ない笑みで言うのだから、本当にタチ悪い。
ストレンジは身体にある毒を少しでも遅らそうと、心臓や手足の筋肉使って堰き止めようとするも。
「させませんよ」
いつの間にか、ストレンジの背後にいた教頭に、冷酷な声音と共に杖の先が心臓射抜く。
「ガッ……ウゥッ」
杖の先が無情に射抜かれ、止血が止まらない。
それでも立ちあがろうとするストレンジに、さしもの教頭も困惑隠し切れていなかった。
「ほう、まだお立ちになるか」
「手足を失っても、俺はお前と戦う。
彼女を、お前たちに渡さな……」
突如、乾いた発砲音が。
それが銃打った音だと、再び心臓を射抜かれてストレンジは気付く。
何故、自分が撃たれる?
そもそも銃を持った人物など。
ストレンジははたと気付く。
ユイの使い魔で、銃を持ち歩いているあの金髪の使い魔を--。
「5日後に、教頭が来ます」
「は?」
それは教頭がストレンジの家を訪れる、5日前のこと。
夜にユイは、テスカトリポカの部屋を訪れていた。
「何で分かるんだよ、そんな事。アイツと同じ様に、お得意の未来予知か」
アイツ、とは彼らと過ごしてすっかり名前聞かなくなった、ナズの事である。
そういえば、あの子も未来が分かる様な発言していた。
結局、その作品云々理解など出来なかったが。
これにいえ、と彼女は首振る。
「手紙が来たんです、教頭から。
迎えに来ると」
「……お前、もしかして行くのか?」
ベッドで隣り合って腰掛けているテスカトリポカが、どこか不安そうに彼女を見つめる。
「無論、行くつもり。でもそうしたら、止めるでしょうね彼は」
ストレンジなら多分、いや絶対止める筈だ。
そうなれば、教頭との戦闘は必須だろう。
ユイの勘であるが、恐らくストレンジは負ける。
あの得体知れない校長の強さ、或いは同類だ。
「俺にどうしろってんだ」
「意外ですね。てっきり貴方も止めると」
「俺はお前の味方だ。ストレンジの野郎は、別にどうでもいい。お前が殺せと言わなかったから、そうしてただけだ」
キッパリ言い切る彼からは、嘘の気配が無い。
本当に最初から、ユイの味方だったのだ。
「そんな事言われたら、好きになりますよ」
「こんな夜に訪れて来たから、てっきり俺はそっちの方だと思ってたんだがな」
意外にも真面目に返され、ユイは何も言えなくなる。
が、こんな会話しに来た訳でない。
取り繕う様に咳払いした後、
「彼--ストレンジが負けそうになった時、もしくは致命傷負わされた時は、貴方の手で終わらせてほしいんです」
誰の命をとは、言わなくてもテスカトリポカには分かった。
ビルの屋上からストレンジを撃った張本人--テスカトリポカは、弾が命中したのを確認する。
「まさか、当たるとは思わなかったなぁ。
銃は苦手なんだが」
言いながらテスカトリポカは、銃に手斧が付いた如何にも素人が扱い難い銃を、懐に仕舞う。
銃は苦手だが、それでも好きなのが彼だ。
ストレンジを撃てとユイに言われた時、対して躊躇いなど無かった。
別に彼の味方でないし、それに最初から彼女の側だったから。
ストレンジと過ごした恩はあるとは言え、マスターであるユイの命だとしたら、話は別だ。
「アイツはもう完全に、カルデア側に付く事にしたか。
アイツらも、厄介な奴敵に回したなぁ」
アイツらとは、勿論ホグワーツの事だ。
カルデアがアイツらと戦えば、勝つのはカルデアだろう。
そこにユイ加われば、未来など無いも同然。
つまらない思考を振り払う様に頭振った後、テスカトリポカはその場を立ち去る。
カルデアとホグワーツ………どっちが勝つかなど、興味は無い。
ただどちらの味方かと言えば、テスカトリポカは彼女が付く側だとハッキリ言えた。
