幻日
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「んー、何だろ忘れました」
「はぁ?」
「急ぎでもないですし、また思い出したら話します。
とにかく今は、貴方といたい気分ですし」
髪を優しく撫でられる感触に浸っているうちに、ユイは再び睡魔に襲われる。
だからか、つい普段言わない様な事を口にした。
「テスカトリポカさんはさ」
「何だよ」
「誰か1人連れて、ここから逃げられるなら誰選ぶ?」
彼の髪を撫でる手が止まる。
答えに躊躇している証拠だ。
「……それ、答えなきゃダメなやつか?」
「絶対に、です。
合間とって選ばないとか無しでお願いします」
苛立たしげに髪を掻いたテスカトリポカは、取り繕う様に咳をしたのちに答える。
「無論ユイに決まってんだろ。他の誰でもないユイを選ぶ」
我ながらキザで恥ずかしい台詞だと自覚しているが答えなければならないのだ、黙ってるなんて出来ない。
彼女からどう返されるか待つが。
聞こえて来たのは、緩やかな寝息だった。
「折角答えてやったのに、寝るなんてねぇだろ」
だが自分でも恥ずかしいと思っていたので、寧ろ眠ってくれて助かった。
テスカトリポカ自身、ユイをここから連れ出し、2人だけで誰も知らない場所で過ごせたらと何度も思ったのは事実だ。
戦士として傷付くユイを、見ているのも辛いわけであるし……。
「……んなコト思うなんて、らしくねぇなオレは」
ユイと出会う前は、こんな感情など無かったのに。
愛おしい、2人で逃げ出したいという感情を持たせたのは、間違いなくユイだ。
「オマエを連れて逃げ出せたら、なんて叶う訳ねぇよな。
全て幻と化すワケだし」
ならばせめてその日まで、彼女といよう。
神として最後までユイの活躍を見届けて、よくやったと労ってやりたい。
「愛してるぜ、お嬢」
身を屈め、スヤスヤと眠るユイの耳元で、優しくテスカトリポカは囁いたのだった。
(了)
「はぁ?」
「急ぎでもないですし、また思い出したら話します。
とにかく今は、貴方といたい気分ですし」
髪を優しく撫でられる感触に浸っているうちに、ユイは再び睡魔に襲われる。
だからか、つい普段言わない様な事を口にした。
「テスカトリポカさんはさ」
「何だよ」
「誰か1人連れて、ここから逃げられるなら誰選ぶ?」
彼の髪を撫でる手が止まる。
答えに躊躇している証拠だ。
「……それ、答えなきゃダメなやつか?」
「絶対に、です。
合間とって選ばないとか無しでお願いします」
苛立たしげに髪を掻いたテスカトリポカは、取り繕う様に咳をしたのちに答える。
「無論ユイに決まってんだろ。他の誰でもないユイを選ぶ」
我ながらキザで恥ずかしい台詞だと自覚しているが答えなければならないのだ、黙ってるなんて出来ない。
彼女からどう返されるか待つが。
聞こえて来たのは、緩やかな寝息だった。
「折角答えてやったのに、寝るなんてねぇだろ」
だが自分でも恥ずかしいと思っていたので、寧ろ眠ってくれて助かった。
テスカトリポカ自身、ユイをここから連れ出し、2人だけで誰も知らない場所で過ごせたらと何度も思ったのは事実だ。
戦士として傷付くユイを、見ているのも辛いわけであるし……。
「……んなコト思うなんて、らしくねぇなオレは」
ユイと出会う前は、こんな感情など無かったのに。
愛おしい、2人で逃げ出したいという感情を持たせたのは、間違いなくユイだ。
「オマエを連れて逃げ出せたら、なんて叶う訳ねぇよな。
全て幻と化すワケだし」
ならばせめてその日まで、彼女といよう。
神として最後までユイの活躍を見届けて、よくやったと労ってやりたい。
「愛してるぜ、お嬢」
身を屈め、スヤスヤと眠るユイの耳元で、優しくテスカトリポカは囁いたのだった。
(了)