湘北クエスト⁉︎
海辺の田舎町「ショーホク」を発ってから季節が1つ移り変わった頃
一行はようやく伝説の王国に辿り着いた。
通り掛かった村人に訊ねると、言伝えの城は確かに存在していた。
「あのお城の一番高い塔に美しい姫が百年間眠り続けているのです」
村人が指差す丘の上を見ると、なるほど荒れ果てた城が建っている。
「お願いします
どうか茨姫を助けてあげて下さい」
懇願する村人に皆の士気が上がった。
「我々に任せてくれ
必ずや茨姫の眠りを覚ましてみせよう」
アカギが厚い胸を叩く。
いよいよ魔女と対決し、呪いを破る時がやって来た。
馬の尻を鞭で打ち、6人は一気に丘へ駆け上がる。
だが城の門は刺だらけの茨が絡み合い、ソードやアックスで切り付けてもびくともしない。
コグレ曰く、どうやら魔女が城の周りに強力な結界を張っているらしい。
さて、どうしたものか…
城に入る事すら出来ず、途方にくれていると
どこからか白髪の老人が現れた。
見るからに恰幅が良い老人はニコニコと笑って言った。
「魔女の力はキミ達が考えているほど甘くないよ
断固たる決意が必要なんだ」
「なんだ、てめー
オヤジぃ!!」
早速サクラギが凄んでみせるが、全く動じない。
「おっと、これは失礼
私はアンザイ
キミ達に力を授けに来ました」
「力だとぉ?
いい加減な事言いやがってオヤジ
「黙らんかサクラギ!!
……失礼しました
アンザイ老師」
アカギが深々と頭を下げる。
「で?
その力とは?」
「オ~ホッホッホ
みんな、武器を出しなさい」
不思議な雰囲気を持つアンザイ老師に言われ、皆それぞれ持っている武器を前に掲げた。
老師は懐から小瓶を取出すと、中の液体を武器に降り注ぐ。
するとパッと武器全体が輝き出した。
「さぁ、これで大丈夫
茨を切ってみなさい」
言われてサクラギとルカワが同時に振り落とすと
と嘘のようにすっぱりと茨が土の上に落ちる。
『おぉぉぉ~~~!!!』
一同、声を上げた。
「さぁ、行きなさい
諦めたらそこで試合終了だよ」
そう言うと、アンザイ老師はどこへともなく去って行った。
その後ろ姿をミツイがジッ見つめている。
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