神を追い掛けて駅まで走るうちに何故だか急に愉しくなってしまった清田。

　｢神奈川No.１ﾙｰｷｰ
　清田信長ぁぁぁあ
　嵐の中を爆走中!!｣

叫び声は雨音に掻き消される。

頭の中ではB'zっぽい曲が鳴り響き、ﾐｭｰｼﾞｼｬﾝのPVみてーじゃねぇか!!と、すっかり自己陶酔している。

そんな彼を止められるのは
もうこの世で１人しかいない。

　｢清田!!
　なにやってんだっ｣

　｢ハッ、その声は
　…牧さんっ!!!｣

ｷｬﾝｷｬﾝｷｬﾝｷｬﾝｷｬﾝｷｬﾝ
ε=ε=ε=┏( ≧∀≦)┛

仔犬が飼い主に駆け寄った。