今日は厄日だ


BL三銃士と長谷川の視線の先には連れ立って厠へ向かう男が2人…

6センチの身長差は男性同士の場合、かなり唆るものがある

「あのカップリングでもイケるな…」

ボソリと呟く仙道に赤木と神が深く頷いた

「なっ!!
あんた達、オレの味方じゃないのかっ」

細い目を精一杯広げて長谷川が抗議すると三銃士は顔を見合せ口角を上げる

「長谷川さん、勘違いしないで下さい
最初からオレらは誰の味方でもないんですよ」

冷めた声音でそう言い放つ神の目は完全に腐っていた

「そ、そんな…… 仙道?赤木?」

「美味けりゃ誰でもいいんだよね~」

「そう言うことだ、お疲れさん…」

三銃士にあっさりと使い捨てられる形になった長谷川は世の中の厳しさを1つ知る

方や、まさか自分達がネタにされているとは毛の先も思っていない元不良と優等生

三井から半歩遅れて歩く木暮が満面の笑みを湛えて話しかけた

「あのさぁ…
三井って結構トイレ近いよね?」

「はぁ?…んだそりゃ
テメェ、くだらねぇ事言ってんと
ぶっ飛ばすぞ!!」

「あはは~ ゴメン怒るなって
冗談だよ、冗談」

お茶目振る木暮に舌打ちする三井

案内の表示に従って通路を行くと突き当たりに男女共用のプレートが貼り付けられたドアがあった

「あれ…
この店、トイレ1つしかないのかぁ」

「そーみてえだな」

「並んで出来るかと思ったけど仕方ない
…三井が先でいいよ?」

木暮が人差し指でヒョイと眼鏡を上げながら言った

「………」

「…え?どうしたの?」

「いい、木暮が先で」

「なんで?いいよ俺は後で
三井が最初にトイレに行きたいって言ったんじゃないか」

「…いーよ、お前が先で」

「いや、それは出来ない
三井が先だよ」

「っるせぇ
テメェが先入れって言ってんだよ!」

「いやだよ三井が ……あ、痛っ」

いきなり木暮の身体をトイレのドアに押し付けた三井がドンッと横に手を突いた

「いいから…
テメェが先入れ、木暮」

「み、三井……///
か、…顔、近い」

「悪いのはテメェだ」

「ちょ…
や、止めろよ…///」

2人、見つめ合ったまま
こう着状態が続く
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