今日は厄日だ

き、決まったァァァァァァア!!!

池上は自らの宣言に完全に酔い痴れていた

見ろよ、目の前のヤツら
マヌケな面しやがって…
俺に釘付けじゃねぇか!

かつて味わった事のないような胸の昂まりに戸惑う池上
熱を帯びた身体からは底知れぬ力が漲ってくる
今なら手のひらから何かを出せる気がした

俺ってマジヤバくね?
キュゥゥゥゥ~~ン、ハァハァハァ

上気した池上の息は荒い

見たか魚住、仙道!
あと、ここには居ないけど福田と越野と植草!それとついでに彦一もだ

これが俺の実力なんだぜ?

だが正直いうと、言おうか言うまいか彼なりに凄く迷ったのだ

魚住を差し置いて自分如きが出る幕なのか?
あまりに出過ぎた行動ではないのか?
やはりここは魚住に譲るべき場面なのでは?

しかし彼が最終的に出した答…

それは、否だった

誰に遠慮が要るものか!
俺は俺の道を行く!
陵南池上、ここにあり!!
…長かった、本当に
今日、今、この場所から始まるんだ
池上伝説が!!!

固く拳を握り締め天井を見上げた池上は溢れる涙を拭おうともしない

一方、突然のディフェンス宣言に呆気に取られたように見えた長谷川と3人の腐男子たちだったが、直ぐに向き直ると会話の続きをし始めた

みるみるイヤな汗で濡れていく池上の背中

・・・・・え?
な、なにこれって
俺、なんか間違ってた???

そんな池上の様子をジーっと見ていたのは陵南バスケ部主将、魚住純だった


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