今日は厄日だ


と、その時だった。

ドガシャアァァァァァんんん!!!

突如、喫茶店の窓を突き破って強行突入して来た男に一同は釘付けになる。

皆の視線を受け止めながら彼は何事もなかったように肩のガラスを払う。

「このドア、鍵掛かってますよ」

クールに言って眼鏡を上げた。

「は、花形っ!!」

藤真の瞳に見る見る涙が溜まる。

「やっと見つけた…」

「‥‥遅いぞ、バカ花形」

「ゴメンな」

「いーけど、別に…///」

花形は藤真に近寄り、グィと身体を引き寄せる。

それを見た赤木と仙道が顔を見合わせた。

「帰るぞ、藤真」

「でも、一志が」

藤真が見た先には、あられもない姿の長谷川が赤面している。

「・・・何してんだ、お前
てか、何やってんのお前ら」

店内を見回して花形が冷ややかに言い放つ。

「いや、その、これは…」

しどろもどろの長谷川が助けを求めた半裸の仲間達は、既に服を着ていた。

「違うんだ、花形
これは安西先生が…」

「安西先生?
なに言ってんだ長谷川」

「安西先生ーー!?」

異変に騒つく巨漢たち。

「あの~
その方なら、たった今
タクシーが来たのでお帰りになりましたが…」

バイトが従業員通用口を指差して言った。


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