今日は厄日だ

気付けば店内は半裸の巨漢たちで溢れかえっていた。

カウンターの中では、こちらはもうとっくに何もかも諦めてしまった店長がクローズを決め込む。

元々、早く店仕舞いしたかったのだ
いいじゃないか…
長くこの商売をしていればこんな日だってあるさ、アハハ…

目の前の全てを受け入れた店長は虚ろに笑う。

一方外では何故か店から締め出されてしまった御子柴が、全身ずぶ濡れで窓ガラスを必死に叩いていた。

しかしそれに気付く者は誰もいない。
そう、締め出した本人以外は…

「サヨナラ、おぶ柴くん」

そう呟くと藤真はそっとブラインドを下げるのだった。

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