今日は厄日だ

諦めたら………




辛うじて届く安西の声に、何とか応えようとする長谷川

いや、応えなくてはならないのだ



それは他の誰でもない、自分の為に今こそ奮起しなければならない



目の前にほぼ裸の三井がいるというのに、気を失うわけにはいかないのだ



まだ目は開けられない

しかし体を起こし、戦闘態勢にだけは入らなくては

そうしなければ、これ以上の三井の裸体は望めない




「気絶して逃げる気か?まだ勝負は着いちゃいないぞ!」




ああ………三井、か……?

俺を鼓舞する為にそんなことを言ってくれるなんて……やっぱり男として頼れる奴だ

そんなお前に俺は…………




若干頬を赤らめて最後の力を振り絞って、その声のする方へ手を差し出す



三井……三井三井……!!




ガシッと掴まれたその暖かい手に蕩けそうになり、長谷川は必死に目を開いた




「まだまだこれからだぞ!」




握った手の先に、これまた上半身裸の魚住が、白い歯を見せて長谷川を引き寄せた




「ゴリゴリじゃねぇか!!」




長谷川一志、彼は細マッチョがタイプなのである


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