今日は厄日だ
「あの…」
声のする方に皆が振り返った
そのあまりに強過ぎる視線に一瞬躊躇した彼だったが
ここは引くべきではないと覚悟を決める
「も、申し訳ありません
ほ、他のお客様もいらっしゃいますので
て、店内での過激な勝負事はごえっ…、ごえっ…、
遠慮願いたいのですがァァァァア!!!」
一気に言っちゃって貧血起こした店長を、左右からバイト生が抱き起こす
(店長、よく言った!!)
(見直したわぁ~)
その決死の姿は若い彼らの心をちょっとだけ打った
「ほっほっほっ
これは大変失礼しました
配慮不足で申し訳ありません」
安西が頭を下げると同時にヤツが吠える
「先生っ!!
何もそこまで!!
・・・テメェこの
先生に恥かかせやがって
いい度胸してやがるじゃねぇか、あ゙~?」
ギロリと睨まれ「ヒィ!!」と店長がバイト生の後ろに隠れて、再び面目丸つぶれ↓
「やめなさい三井くん」
「でも、先生っ!!
こいつ
いいかけて三井の背筋が凍り付く
安西を取り巻く空気がガラリと変わった
「お前なぁんか
勘違いしとりゃ
せんか?」
安西光義、
まさかの封印解除
「お前の為にこの店が
あるんじゃねぇ
この店の為に
お前がいるんだ!!」
「(ドキッ)」
「わかったのか?
わからんのか?
どっちだ?」
「は…
はい!!
わかりました!!
(意味わかんないけど)」
「よし じゃあ
この4校の団体戦
種目は『野球拳』だ!!」
「(ぐ‥‥
な、なんで野球?)」
「わかったのか?
わからんのか?」
『は…はい!!
わかりました!!』
何故か全員で答えちゃった生徒たちww
けれど色んな意味で冷や汗を流すのは、やっと正常な嗅覚が戻って来た藤真健司その人
3:3:3:2の絶体絶命なこの状況下
彼の脳は、かつて無いほど速く回転していた
かくして、安西の無茶振りで男たちの熱い闘いの幕が切って落とされる
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