今日は厄日だ


熱い握手を交わす腐男子2人の横を藤真が鳥肌を立てながら通り過ぎて行く

向かう先は化粧室

彼は店内に渦巻く得体の知れない妖しい情念を感知していた

そして、それこそがこの場所に花形を引き寄せられない最大の原因であるとの結論にたどり着いたのだった

個室で1人になり、改めて念を送り直す…
そうすれば必ず花形は来るはずだ♪

希望に胸を膨らませる藤真だったが、男女両用を示すステッカーが貼りつけてある扉を開けた途端、激しく眉をひそめた

 「・・・くせぇ」

誰かの排便直後だったようだ

ついてない…

消臭スプレーが設置されていない事に絶望した藤真が息を止めて小窓を開けると、激しい雨の向こうに県外のナンバープレートを付けたマイクロバスがゆっくりと喫茶店の駐車場に入って来るのが見えた
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