今日は厄日だ

そんな中、ひとり大きな感動に心を震わせている男が一人。



____________

……


『こんな仲間が 欲しかった…』 




赤木は膝の上で、グッと拳を握りしめた。


目頭が熱くなり、視界が滲む。 
全国制覇など戯れ言だと、相手にされなかった日々…。辛くなかったと言えば嘘になる。
だが三年になった今年、赤木は最高のチームメイトに恵まれた。


今年こそ、全国へ____。

頭の中に、自分のチームメイト達の顔が浮かぶ。



『クソ生意気で喧嘩っ早い、、正直ムカつくヤツらばかりだ。………でもヤツらは最高だ。』

 
赤木は目を細め、柔らかい笑みをこぼした。



しかし…………赤木にはもう一つ、ずっと欲している仲間がいた。魂の底から、求めている仲間が…。




雨の日の喫茶店。

偶然なのか必然なのか、集まってきたバスケ部軍団。
赤木はキッと唇を噛み締め、その中の一人を見つめた。 
視線の先に居るのは……そう、仙道彰。



『間違いない…。あの目…。
間違いない。 仙道は今、確実に萌えている。 長谷川→三井→安西先生 このトライアングルに萌えている目だ。
萌え狂っている目だ。
ヤツは……仙道は…腐男子だ。』



まるで試合の前のような興奮と緊張感。赤木はゴクリと唾をのむ。






『こんな仲間が、欲しかった…』





仙道に伝えたい。自分も同じ腐男子であること、、。そして仙道と語りたい。語りまくりたい。 そんな感情に突き動かされる。



『仙道に伝えよう。 大丈夫だ。イケる。』



赤木はゆっくりと、席を立った。
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