今日は厄日だ
「どうした藤真
具合でも悪いのか?」
牧の声にハッと我に返る
「あ、いや…
ちょっと次の試合のスタメンを」
と、苦笑した後
一志、ぜってぇ外す…と呪うように小声で呟いたのは秘密←
「お前も大変だよなぁ
選手兼監督だなんて…
俺には無理だ」
そんな時間があったら波乗りしたい、と心で続ける牧の横から清田が乱入してきた
「なに言ってんですか!!
牧さんならその他にマネージャーだって一緒に出来ちゃいますって!!」
「そ、そーかぁ?
そりゃちょっと俺を買い被り過ぎだろ」
「いえ!!
出来ます牧さんなら!!
俺、信じてます!!」
「…清田、お前って奴は」
チッ…大昔の学園ドラマかよ
しかも選手兼監督兼マネージャーって、なにそれ…
##IMGR345##
藤真は思いっ切り白目を剥いて嘲笑って見せたが
いくら彼が悪びれても翔陽不利の現状は変わらない
「花形…」
思わず口にした名前に
目の前の景色が滲む
涙が零れないようにさりげなく藤真が上を向くと
「カラン~」と店のドアが開く音がした