このカオスな状況を瞬きもせずガン見しているのは普段はポーカーフェイスが板に着きすぎて何を考えているかわからないと言われている仙道彰その人である。



(ちょっ！藤真→長谷川×三井キタ!!翔陽対湘北戦を観てもしやと思ったカップリング生で見れるとかなんて俺得！)



このセリフからお分かりの通り仙道は腐男子である。
しかも二次元も三次元も美味しく戴ける雑食タイプ。


さすがに誰彼構わずカップリング話を語る訳ではないがたまに溢れ出るパッションがこぼれる時があったりする。

その時の主な被害者は部活仲間でありクラスメイトの越野宏明少年であった。接している時間が長いだけで犠牲となった哀れな少年ある。
合掌。


さすがに先輩である魚住と池上にこの荒ぶる気持ちをぶちまける訳にはいかない。
だか、生で見る男同士の感情の矢印の見えるやりとりに仙道のナカのナニカが溢れ出そうになる。


(越野が欲しい。切実に。なんで越野がいないんだろう。こんな事なら釣は無理でも今の海を見に行こうって誘うんじゃなかった！そうじゃなきゃ越野はここにいたハズなのに!!)



陵南3年組のカン(？)は半分当たっていて釣りではないがこの嵐の中の海を見たいと余所者丸出し発言をし地元っ子の越野がドン引きしさっさと帰ってしまったのだ。


後もうひとつ付け加えるなら越野は不本意ながら仙道を理解してはいるが話を聞く時『コイツはウチのエース』と心のなかで呪文のように唱えて荒れ狂う自らの心を抑えているのは他の２年レギュラー福田と植草のみが知る話である。