今日は厄日だ

湘北組も合流し、更に不気味さが増した謎の集団

丸い眼鏡をかけた学生が、遠慮気味に飲み物を追加オーダーする



(この子、食われないだろうか……)



店長の不安を余所に、会話は弾んでいるようだ

が、一人俯いて動かない下まつ毛美男子

頭の中は自分の劣勢を覆す事でいっぱいだ




まだだっ……まだ諦めるわけにはいかねぇ!



例え3:3:3:1であろうとも、個の力でなんとかなるはずだ!!

神奈川でも希であるこのイケメンっぷりを全面に押し出して、残りの二人分を補えば……………………………はっ!!!



ちょっと待て
待て待て待て待て!!



気付いたぞ……
肝心な事を忘れていた!


俺は………俺はっ……………


選手兼監督じゃないかぁぁぁ!!!



てことは二人分んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!

ナイス俺!!
グッジョブ俺!!




ふふ………ふふふふふ…………

これでようやく3:3:3:2になったようだな

なぁに、簡単なことだったじゃないか
取り乱した自分が恥ずかしいぜ



しかし……もう並んだも同然だが、出来ることならあと一人くらい来てほしいもんだ



花形………あいつ暇だろ
さっさと来いよっ……




カランコロン




喫茶店のドアが開き、全員がそちらを振り向く



案の定というべきか、また雨に濡れた大男が入ってきた




「ん?あれ……なんでこんなに…………あ!」




か、かかかか……一志キターーー!!!



濡れた髪を気にしながら近付いてくるチームメイトにニヤニヤが止まらない藤真



これでようやく同じ土俵の上に上がれたってもんだ




「かずっ……」




声をかけようとした瞬間、自分が素通りされたのがわかった




「ひ、久しぶりだなっ……三井…………(ポッ)」



「ん?ああ、いつぶりだっけか、一志」







か、かかかかかか………一志ぃいいいいいい!!??

いつの間に呼び捨てだよ!!

つかなんで俺を無視した一志!!




三井を前に乙女モードな長谷川を、裏切り者を見るかのような目付きで睨み付ける藤真がいた


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