湘北☆cop
《case file 3》
ピンと背筋を伸ばした彩子が大男2人を従えて歩いていく。
「あんた達
署内を案内するから一緒に来なさい」
そう言われて部屋を出た桜木と流川。
散々連れ回され、面倒くさそうにしていた桜木の態度が急変したのは交通課の部屋の前だった。
も、もしやここにあの方が…!??
いきなり立ち止まった桜木に、危うく流川がぶつかり掛ける。
「急に止まんな
どあほう」
反射的に桜木の尻を蹴飛ばした。
「テ、テメー
何しやがるっ!!」
途端に睨み合いが始まる。
だが、桜木が流川の胸ぐらを掴んだところでパンパンッ!!と豪快な音が廊下に鳴り響いた。
頭を抱えて蹲る2人。
いったいそれをどこに持ち歩いていたのか、腕組みする彩子の手の先で巨大なハリセンが揺れている。
「いてぇよ彩子さ~ん」
「なんで俺まで…」
「問答無用!!
あんた達、さっきの課長の話、聞いてなかったの!?
同じチームなんだから下らない事で喧嘩しない!!」
説教されるその姿に、職員たちは笑いを堪えながら通りすぎていく。
そんな中、後方から声が掛かった。
「あれ?彩子さん
何してるんですか?」
声の主を見た瞬間
蹲っていた桜木がサッと立ち上がり、直立不動で敬礼する。
その顔面が髪の色と同じになったので、彩子は思わず吹き出した。
「今日からウチに来た新人くん達を案内してるの
こっちが桜木花道で
こっちが流川楓」
「ちゅーーーっす!!!」
「…ウス」
「交通課の赤木晴子です
宜しくお願いします」
チラリと流川を見て赤面する晴子。
桜木が今朝会った事を一生懸命アピールするも、彼女にはほとんど聞こえていない模様…
♪流川だ~け見つ~めてる、的な状態。
ややあって・・・
「あっ!!そうだ彩子さん
お兄ちゃんて今、部屋にいますか?」
「ウン、居ると思うけど?」
「良かったぁ
今朝お弁当忘れて行っちゃって」
「じゃ、届けようか?
もう戻るから」
「ホントですか?
わぁ~助かります
ちょっと待ってて下さいね、今持って来ますから」
部屋に入っていく晴子を見ている桜木の目がキラキラしている。
「彩子さん?
もしやハルコさんのお兄様というのはウチにいるのでしょうか!??」
「ええ、居るけど」
「やはりっっ!!!
で、それはいったい…」
「…ハァ~」
会話を聞いていた流川が呆れたようにため息をつく。
「あ゙ぁ?テメー
なんか文句あんのかっ」
「…テメーも刑事の端くれなら名字ですぐに気付け
どあほう」
「ぬっ?名字だと?
……赤木?……赤木
……赤木!?…………ハッ
ぁぁぁぁぁぁあ!!!
も、も、も、もしや
………ゴリ、さん?」
驚愕する桜木を見て彩子がニヤリと頷いた。
「いちおう先に忠告しとくけど、あの子は止めといた方がいいわよ
赤木さんに殺されたくなかったらね……プスス」
まさか晴子があのゴリラ男の妹だとは…
ショックのあまり口から魂が抜けていく桜木。
その横で我関せずとそっぽを向いた流川は、ふと背中に強い視線を感じた。
振り返ると廊下の一番端で長身の男がジッとこちらを見ている。
「……先輩
アイツ、誰っすか?」
「え?どの人?」
彩子は流川が見ている先に焦点を合わせた。
「あれぇ、珍しい~~
なんでウチに来てるのかしらぁ?」
「…ん?」
「腰越陵南署の刑事よ
名前は確か……そう
…仙道、仙道彰」
「……仙道、彰」
流川は男の名前を復唱すると、改めて廊下の端のツンツン頭を睨みつけた。
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ピンと背筋を伸ばした彩子が大男2人を従えて歩いていく。
「あんた達
署内を案内するから一緒に来なさい」
そう言われて部屋を出た桜木と流川。
散々連れ回され、面倒くさそうにしていた桜木の態度が急変したのは交通課の部屋の前だった。
も、もしやここにあの方が…!??
いきなり立ち止まった桜木に、危うく流川がぶつかり掛ける。
「急に止まんな
どあほう」
反射的に桜木の尻を蹴飛ばした。
「テ、テメー
何しやがるっ!!」
途端に睨み合いが始まる。
だが、桜木が流川の胸ぐらを掴んだところでパンパンッ!!と豪快な音が廊下に鳴り響いた。
頭を抱えて蹲る2人。
いったいそれをどこに持ち歩いていたのか、腕組みする彩子の手の先で巨大なハリセンが揺れている。
「いてぇよ彩子さ~ん」
「なんで俺まで…」
「問答無用!!
あんた達、さっきの課長の話、聞いてなかったの!?
同じチームなんだから下らない事で喧嘩しない!!」
説教されるその姿に、職員たちは笑いを堪えながら通りすぎていく。
そんな中、後方から声が掛かった。
「あれ?彩子さん
何してるんですか?」
声の主を見た瞬間
蹲っていた桜木がサッと立ち上がり、直立不動で敬礼する。
その顔面が髪の色と同じになったので、彩子は思わず吹き出した。
「今日からウチに来た新人くん達を案内してるの
こっちが桜木花道で
こっちが流川楓」
「ちゅーーーっす!!!」
「…ウス」
「交通課の赤木晴子です
宜しくお願いします」
チラリと流川を見て赤面する晴子。
桜木が今朝会った事を一生懸命アピールするも、彼女にはほとんど聞こえていない模様…
♪流川だ~け見つ~めてる、的な状態。
ややあって・・・
「あっ!!そうだ彩子さん
お兄ちゃんて今、部屋にいますか?」
「ウン、居ると思うけど?」
「良かったぁ
今朝お弁当忘れて行っちゃって」
「じゃ、届けようか?
もう戻るから」
「ホントですか?
わぁ~助かります
ちょっと待ってて下さいね、今持って来ますから」
部屋に入っていく晴子を見ている桜木の目がキラキラしている。
「彩子さん?
もしやハルコさんのお兄様というのはウチにいるのでしょうか!??」
「ええ、居るけど」
「やはりっっ!!!
で、それはいったい…」
「…ハァ~」
会話を聞いていた流川が呆れたようにため息をつく。
「あ゙ぁ?テメー
なんか文句あんのかっ」
「…テメーも刑事の端くれなら名字ですぐに気付け
どあほう」
「ぬっ?名字だと?
……赤木?……赤木
……赤木!?…………ハッ
ぁぁぁぁぁぁあ!!!
も、も、も、もしや
………ゴリ、さん?」
驚愕する桜木を見て彩子がニヤリと頷いた。
「いちおう先に忠告しとくけど、あの子は止めといた方がいいわよ
赤木さんに殺されたくなかったらね……プスス」
まさか晴子があのゴリラ男の妹だとは…
ショックのあまり口から魂が抜けていく桜木。
その横で我関せずとそっぽを向いた流川は、ふと背中に強い視線を感じた。
振り返ると廊下の一番端で長身の男がジッとこちらを見ている。
「……先輩
アイツ、誰っすか?」
「え?どの人?」
彩子は流川が見ている先に焦点を合わせた。
「あれぇ、珍しい~~
なんでウチに来てるのかしらぁ?」
「…ん?」
「腰越陵南署の刑事よ
名前は確か……そう
…仙道、仙道彰」
「……仙道、彰」
流川は男の名前を復唱すると、改めて廊下の端のツンツン頭を睨みつけた。
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