あれから17年後


都内の、とある居酒屋

仕事帰りの三井寿と木暮公延がグラスをぶつける。

 「行くんだろ?披露宴」

木暮の問いかけに、三井は「あぁ」と気の無い返事をした。

 「全く、宮城のヤツには恐れ入ったよ」

感心する木暮に三井が悪態をつく。

 「みすみす自由を手放しちまうなんて、やっぱり宮城はバカだぜ」

言い終えてグラスを呷る。

 「そんな事いうなよ
 案外いいもんだぞ結婚も
 お前もしてみればわかるよ」

 「冗談じゃねー
 自由を手放した上にメタボ体型なんて俺はご免だぜ」

木暮は「参ったな」と苦笑した。

空のグラスに手酌でビールを注ぎながら三井が続ける。

 「そーいや宮城のヤツ
 流川や仙道にまで招待状出したって言ってたな」

 「藤真や花形にも送ったらしいぞ」

 「本当かよ、木暮」

 「ああ」

 「あのバカ、
 なに考えてんだ?
 この分じゃ、海南大の奴らも呼んでるんじゃねーのか?」

 「あはは、いーじゃないか賑やかで
 きっと大勢の人に祝ってもらいたいんだろ?
 大目に見てやろーよ」

 「チッ、趣味が悪ぃぜ」

三井はプィと横を向くと
手を上げてビールの追加オーダーをした。

.
21/55ページ
スキ