その言葉にメディカは目を一瞬大きく開くと、トランクスは恥ずかしそうに空へと顔を上げた。

メディカは何と答えていいか分からず、そのまま黙っていると

「・・・チチさんとビーデルさんから聞いたんですよね？俺の・・・俺たちのこと・・・。」

トランクスは複雑な笑みをメディカへと向け

「怖く、ないですか・・・？」

と、続けた。

さわさわと頬を撫でる風でトランクスの髪が揺れるのを見ながら、メディカは少し間を置いてから小さく微笑み

「怖くはないです・・・。空を飛べることには驚きましたけど。」

そう答えると

「俺は怖かったんですよ。・・・俺たちのことを知って、メディカさんを怖がらせてしまうんじゃないかって・・・。」

「えっ・・・？」

「だから、まだメディカさんにはここに来て欲しくなかったんです・・・。ここに来れば、きっと普通の人間とは違うことを知られてしまいますから・・・。少しずつ、知ってもらってからと思っていたんですが・・・。でも、そう言ってもらえて安心しました。」

安堵の表情を見せるトランクスに、メディカは今朝の彼とブルマとの会話が甦り、あの時の言葉を濁すトランクスを思い出すのだった。

そして、その真意が分かると

「カプセルコーポにお世話になって１ヶ月以上経ちますし、今更怖いだなんて・・・。そんなふうには思えません。」

メディカが弱いながらも笑みを浮かべると

「メディカさん・・・。」

と、トランクスは静かに呼びかけ、その距離を縮めた。