「すまねぇな、メディカさ。お客様に片付け手伝わせちまって。」

「いえ。これくらいお手伝いさせて下さい。」

泡立つ流し台で手を動かすメディカは、気にしないというふうに笑顔を見せた。

「ありがとう、メディカちゃん。洗い物が多いから、疲れたら代わるから言ってちょうだいね。」

気遣う様に言いながら、ビーデルは洗い上がった食器を拭いていく。

そんな中

「本当にサイヤ人ってのはよく食べるべ。」

と、感心する様に言ったチチの言葉にメディカは手を止めた。

以前ブルマからもその単語を聞いた気がする・・・。

「あのー・・・。サイヤジンって、何ですか？」

首を傾げチチを見ると、きょとんとした顔をメディカに向け

「何だべ。知らねぇだか？」

と、次には意外そうな顔を見せるのだった。

「は、はい・・・。」

と答えると、チチとビーデルは互いに顔を見合わせ

「ブルマさんから聞いてないのね。・・・話してもいいのかしら？」

躊躇うビーデルに

「いいんでねぇか。別に気にすることじゃねぇべ。」

チチがあっさり許可すると、ビーデルも「そうですよね。」と心を軽くした様に、食器を拭く手を動かしながらメディカにサイヤ人についての説明を始めるのだった。



その話しを最初は手を動かしながら聞いていたメディカだったが、途中から完全にスポンジを持つ手は止まっていた。

その様子に

「やっぱり、片付けが終わってからゆっくり話した方がいいわね。」

と、ビーデルはクスッと笑みを零すのだった。