メディカとトランクスが顔を合わせたのは、次の日の夜だった。

帰宅したトランクスがリビングに入ろうとすると、ちょうどメディカはリビングから自室へと戻るところだった。

「あっ・・・！た、ただいま・・・。」

「！・・・おかえりなさい。」

何となく気まずい空気が２人の間に流れ、お互いそれ以上言葉を交わすことなくすれ違った。

小さく息を吐いてから

「母さん、ただいま。」

と、ダイニングテーブルで資料を読んでいるブルマに声を掛けると、ブルマのその顔は訝しげな表情をトランクスへと向けていた。

「おかえり。・・・ねぇ、アンタたち何かあったの？」

鋭い洞察力を発揮する母に「えっ」と、トランクスが一瞬たじろぐと

「アンタ！まさかホントに夜這い・・・」

と、ハッとした顔を向けるブルマに

「そ、そんな訣ないだろっ！！」

と、トランクスは顔を赤らめ即座に否定するのだった。

「・・・そうよね。アンタにそんな度胸ないわよね・・・。」

頬杖をつき、つまらなそうに言う母に、トランクスは何となく悔しい気持ちを抱きつつ

「あの・・・メディカさんだけど、今日どんな様子だった？」

と、躊躇いながら尋ねた。

「メディカちゃん？いつも通りだったけど。あ、でも泣いたみたいに目が腫れぼったかったわねぇ・・・。って、あっ！まさか、アンタが泣かせたんじゃないでしょうね？！」

「ちっ、違うよ！！」

またも全力で否定する我が子を

「ホントにー・・・。」

と、ブルマはじとっと見据えるのだった。