「あ・・・すみません・・・！俺・・・。」

トランクスが慌ててメディカから視線を逸らすと、メディカは

「・・・いいんです。ありがとうございます・・・。」

と、涙目のまま嬉しそうに微笑んでくれている。

その顔にドギマギしながら、トランクスはバツの悪そうな顔を浮かべていたが、気持ちを静める様に小さく息を吸うと

「大丈夫です。メディカさんなら、絶対大丈夫・・・。だから、これからたくさんの人の命を救う医者になって下さい。」

と、メディカの肩にそっと片方の手を置き、微笑むのだった。

その言葉と優しい笑みに、メディカは胸が締め付けられる様な感覚に捉われ、言葉を継げなくなってしまった。
肩に置かれたトランクスの大きな手の感触に、身体の奥から熱がじんわりと広がって行くのを感じる。

ほんの数秒だっただろうか、メディカはトランクスを見つめていたが、我に返ると

「あ・・・ありがとうございます、トランクスさん・・・。」

そう言って、スッと下を向いてしまった。

そんなメディカに触発される様に、トランクスも慌ててメディカの肩に触れていた手を引っ込めると

「あ、いえ・・・！あっ、じゃあ俺、部屋に戻ります！メディカさんも早めに休んで下さい。えっと・・・じゃ、じゃあ、おやすみなさい！！」

早口でそう言って立ち上がり、くるりと向きを変え、足早に来た方へと向かうその背中を見つめながら、メディカは温かい心のざわつきを覚えるのだった。