笑いながら、ふと視界に入ったトランクスは苦い表情を浮かべていた。

その顔に思わず笑顔が引いてしまう。

自分がここにいることを歓迎していない彼にとって、自分は不快な存在でしかないのだろう。

トランクスがいくら優しいとはいえ、こういう部分はきっちりと分けておきたかったのかもしれない・・・。

孫一家との交流は彼等のプライベートな部分なのだから・・・。

そう思うと

（・・・私のバカ・・・。何でついて来ちゃったのよ・・・。）

と、メディカは心の中で激しく後悔し、密かに表情を曇らせた。

そんな落ち込んでいるメディカに

「ね、メディカちゃん。もう少し近くまで行ってみようよ！」

そう言って、悟天はメディカの手を取ると、少年の様な明るい笑顔を向けた。

その笑顔に、影を作りつつあったメディカの心に少し陽が射し込み

「・・・うん。」

と、微笑むと悟天と共に苔の生えた足場の悪い石の上を進み始めたのだった。

その様子に、トランクスのイライラと不安は最高潮に達していた。
いつもは冷静で、落ち着きある自分が何処かへ行ってしまいそうだった。

そんな心情と表情をあからさまに見せたわけではないが、気から漏れているとは思いもしなかった。

滝壺の方へと歩き出したパンが、トランクスの方を振り返るなり

「ちょっと、トランクス！アンタさっきから何で怒ってるのよ！？せっかく秘密の場所に案内してあげたのに！！楽しくないなら、帰ってもいいのよ！」

と叫ぶ様に言った言葉に、メディカはビクッと反応した。