外に出ると、西の都とは違う空の色が広がっていた。

遮る物が何もない、果てしなく広がる青い空は濃くて澄んでおり、そこから降り注ぐ日差しは周りの緑をきらきらと輝かせている。

夏草の香りが漂う空気をメディカは懐かしく思い、スゥと鼻から吸い込み目を閉じた。

「じゃあ、さっき話した滝に行こうかな！」

そう言うと、悟天はふわりと浮き上がった。

「！」

その行動に慌てたのはトランクスだった。

「お、おい！！悟天！！！」

１人慌てふためいてる親友に

「何？」

と、悟天はきょとんとした顔を向けた。

メディカは悟天が浮いてることにまだ気付いていないらしく、大きな声を出すトランクスを不思議そうに見つめている。

「きょ、今日はメディカさんもいるし、ジェットフライヤーを使わないか？」

トランクスは努めて冷静に言うと

「え？何でさ。飛んだ方が早いし、ジェットフライヤーじゃ行きにくいんだよ。」

さらっと言ってのける悟天に、トランクスはますます焦り、次の言葉を言おうとした時だった

「そうよ。飛んだ方が楽だし、気持ちいいじゃない。」

そう言うとパンは何食わぬ顔で、さも当然の様にスーッと浮かび上がったのだった。

「！！？？」

そんなパンの状態に、メディカは大きく目を見開いた。

あまりのことに驚き、口を開けたまま声も出ない様で、浮かびあがるパンを驚愕の表情で見上げている。

そんなメディカの当然の反応に、トランクスはガクリと肩を落とすと、片手で顔を覆い大きく項垂れるのだった。