人工物で埋め尽くされた眼下に広がる景色が、緑色の美しい自然へと変わり広がっていく様は西の都を離れるのが久し振りのメディカにとって新鮮で、この景色を見ている時だけは胸が弾んだ。

途中休憩を挟み、パオズ山の孫家に着いたのは午後３時を過ぎた頃だった。

家の外には既にパンとビーデルが待っており、ジェット機から降りた３人を出迎えてくれた。

「いらっしゃーい！！」

大きな声で３人に駆け寄ってくるパンは、いつも通り元気いっぱいで夏の太陽を思わせる。

「パンちゃん、来たわよー！」

いつも大人びているブラも、年相応の笑顔でパンに手を振った。

少し後ろを歩いていたメディカは、その微笑ましい光景に目を細めながらも、晴れることのない気持ちを抱えていた。

「いらっしゃい。トランクス君、メディカちゃん。」

「こんにちは、ビーデルさん！お世話になります。」

「こんにちは。あの、すみません・・・私まで来てしまって・・・。」

メディカが遠慮がちに小さく頭を下げると

「気にしないで！メディカちゃんも来てくれて嬉しいわ！さ、お義母さんがお茶の用意をして待ってるから中に入って。」

嬉しそうに、そう微笑みかけてくれるビーデルにメディカの胸はツンと痛くなった。自分を本当に歓迎してくれているだろうその表情に救われた気がした。

道中、自分が同行していることが申し訳なく、心は委縮していた。

トランクスは表面上はいつもの様に振舞っているが、本当はそうではないのだと思うと、胸が苦しかった。