家の中に入ってしばらくすると

「トランクスさん、今日はありがとうございました。」

頭を下げるメディカに

「いえ。こちらこそ、誘って頂いてありがとうございます。」

「いえ・・・。じゃあ私、一度部屋に戻ります。」

そう言うと、メディカは自室へと戻って行った。

その背中を暗い気持ちで見つめていると

「おかえりー、トランクスぅ。」

背後から嬉しそうな声が聞こえ、トランクスはビクッと肩を上げた。

声の方を振り返ると、そこにはニヤつきながらこちらに近付いて来る母の姿があった。

「た、ただいま・・・。」

「聞いたわよー。図書館デートはどうだった？２人きりで、ゆーっくり出来たかしら？」

茶化す気満々で尋ねたブルマだが、浮かない表情の息子に気付き

「どうしたのよ、沈んだ顔して。・・・アンタ、もしかして早速振られちゃったんじゃないでしょうね？」

もしかしたら近い未来にそうなるような、あながち間違ってもいない言葉を投げつけられ、トランクスの胸にズンと重く圧し掛かった。

それどころか、自分の様な存在を受け入れてもらえるかどうかすら怪しい・・・。人として恐れられるかもしれないのだ。

そう思うと、トランクスの心は深みへと沈んで行くのだった。

「・・・部屋に戻るよ。」

肩を落とし、よろよろと自室へと引き上げて行くそんな我が子の暗い背中を

「冗談のつもりだったんだけど・・・。」

と、ブルマは憐れむ様に見つめるのだった。