「でも・・・でも・・・。やっぱり・・・目の前で人が亡くなっていくことに耐えられなくて・・・！」

段々と嗚咽混じりになっていくその声に、トランクスはハッとした。

メディカが辛そうに涙を流している、その理由・・・。

人の死・・・。

医師という仕事に付いて回るだろう、その瞬間・・・。そのことに気付いた時、トランクスの表情もまた辛いものへと変わっていた。

再び瞳から涙が溢れ始め

「ック・・・。す・・・すみません・・・。」

と、小さく漏らすとメディカはまた俯いてしまった。

「・・・いえ・・・。」

トランクスは静かに答えると、寄り添う様にメディカの隣りに腰を下ろしたのだった。



どれくらい時間が経ったか分からない。

ただ、メディカの涙はようやく落ち着きはじめ、まだ少し肩は揺れているが、その動きは緩やかになりつつあった。

何か言葉を掛けた方がいいのだろうが全く浮かばず、ただ黙ってメディカを見守ることしか出来ない自分が歯痒かった。

「すみません・・・トランクスさん。ありがとうございます・・・。」

泣き腫らした顔を、無理に笑顔にしようと歪ませるメディカに、思わずドキリとしてしまう。

「あ、いや・・・その、大丈夫ですか？」

気の利いた言葉が浮かばず、こういう時、悟天やヤムチャなら何と声を掛けるのだろう・・・。など、考えていると

「・・・７歳の女の子だったんです・・・。」

と、ポツリと震えた声がした。