しかし、自身の心を否定しながらも、カプセルコーポで過ごし始めて３週間が過ぎ、トランクスとは毎日顔を合わせるわけではないが、その人柄が分かってくると彼の魅力はグッと深まっていった。

最初の印象はルックスもそうだが、何事にもスマートで知的で、隙の無さを感じた。

だが、ブルマやブラに詰め寄られ、たじろいでる表情や、父親であるべジータを尊敬し不器用に接している姿、親友の悟天といる時の年相応の振舞い。そして、真剣に叱ってくれたあの眼差し・・・。

トランクスの様々な姿を知ったことで、メディカの心の中にトランクスが住み着き始めているのは確かだった。

（はぁ・・・。世界が違うんだけど、そう思わせないところがまた素敵なんだよね・・・。）

トランクスもだが、ブルマもブラもあの『カプセルコーポレーション』一家は、世界でも有数の企業一族であるにも関わらず、全くそのセレブ感を感じさせない。

とてもフランクで、誰に対しても分け隔てなく接するあの一家の姿にメディカは好感を持っていた。

ブルマの夫であるべジータも、プライドは高そうだがお金持ちによく見られる尊大さは感じられない。

ただ、知的で高貴な雰囲気を纏っている様から「普通」ではない何かを感じさせる。

メディカはブラの退院パーティを思い出すと、トランクスの魅力は家族やあの仲間たちの中で形成されていったのだなと思い、小さく微笑んだ。

そして、あのパーティで出会った人々に、また会うことはあるのだろうかとも思うのであった。