「おばさん、お疲れ様！」

「おや、メディカ先生が昼も来てくれるなんて珍しいね。」

「明日から休暇で、しばらくここのベーグルサンド食べられないから、お昼も買いに来ちゃった。」

そう言うと、メディカはショウケースに目を遣った。

「そう。明日から休みなの。じゃあ、しっかり休んでリフレッシュしなきゃね！そうだ！海でも行って、イイ男見つけて来なよ。」

「もう・・・。休みって言っても、レポートもあるし、なかなかゆっくり出来そうにないの。」

メディカが困った様に笑うと

「何だい！せっかくの休みなんだから、少しは気分転換しないと潰れちゃうよ！その為の休暇じゃないのかい？！ホント、ここの研修医の先生たちはみんな真面目だねー。」

おばさんは呆れた顔で、ショウケースを眺めるメディカを見るのだった。

「うん、おばさん。スモークサーモンのベーグルサンド頂戴！」

「もう、先生。聞いてるのかい？！」

「聞いてるわよ。出来るだけゆっくり休むようにするから！」

「ホントかねぇ・・・。まぁ、ここには長く居るから、研修医の先生が忙しいのは知ってるけどさ・・・。でもねぇ、若いんだから、みんなにはもっと青春を謳歌して欲しいんだよ。」

紙袋にベーグルサンドを入れながら、同情する様な目を向け

「はい、先生。・・・分かったね。休める時はしっかり休むんだよ！」

そう強く言われ、紙袋を受け取ったメディカは眉を寄せつつ

「分かりました！じゃあ、また休み明けにね！」

と、手を振りながら売店を後にするのだった。