「そうだなぁ・・・。父は穏やかで明るい人かな。怒ることもないですし。あ、でも小さい頃に泳げないのに川に飛び込んで流されたことがあったんです。その時はすごく叱られました。」

そう言って懐かしそうに微笑むメディカに

「えっ、流されたんですか！？」

トランクスが驚くと

「そうなんです。私、小さい頃は考えるより先に行動しちゃう子で・・・。高い木に登って降りれなくなったり、山で迷子になったり。今から思えば、すごく親には心配かけただろうなって・・・申し訳なかったなって思います。」

苦笑いを浮かべるメディカの隣りからクククっと笑いを堪える様な声が聞こえたかと思うと

「意外です。メディカさんがそんな無茶な子供だったなんて。想像つきませんよ。」

メディカの意外な幼少期を知り、笑うトランクスに

「好奇心旺盛だったんですね、きっと。でも、その好奇心旺盛なのは父も一緒なんです。きっと父に似たんです、私。」

そう言って笑うと、次には

「だから、母が亡くなってからも父と上手くやってこれたんだと思います。似てるから、お互いにいい距離を保つことが出来て、ケンカもせずにやってこれたのかなって。」

と、メディカは寂しそうに微笑むのだった。

「メディカさん・・・。」

そう言ったメディカを複雑な表情で見つめていると

「持って来たわよ！」

と、しんみりした空気を破るブラの声に、メディカとトランクスが俯きがちだった顔を上げると

「ほら、見てみて！」

夏の思い出をテーブルいっぱいに広げ、そんな空気を見事に破った妹は間違いなく母似だなと、トランクスは表情を緩ませるのだった。



～おまけ～

（ん・・・。てことは、俺は父さん似なのか？い、いや。ない、それはない、うん。多分・・・。）

胸の内で否定する様に呟くトランクスだった。