「でも、メディカちゃんがなかなか包帯を上手く巻けなくてねー。ベジータがイライラしちゃって。でも、確かに私でももっと上手く巻けると思うわ。」

そう言って笑うブルマに

「だ、だから練習も兼ねて巻かせて欲しかったんです！」

メディカは顔を赤くして恥ずかしそうにブルマを見ると「おい、仕方なく練習に付き合ってやってるんだ、さっさっとしろ！」そうベジータに急かされ「はっ、はい！すみません！！」と、メディカは止まっていた手を再び動かし始めるのだった。

その様子を見ながら（近い・・・。）トランクスはぼそりと心の中で呟いた。

体に包帯を巻くのだから、近くなるのは当然なのだろうが、その距離があまりにも近過ぎる気がする。

不器用故それくらい近付かないと上手く巻けないのだろうメディカが、父と密着するその姿に嫉妬し始めているとふと父と目が合った。

自身の気持ちを見透かされた気がしてバツの悪い顔を浮かべると、ベジータの方はニヤリと不敵な笑みを浮かべ（どうだ、羨ましいだろう？）とでも言いたげな、勝ち誇った顔を我が子へと向けるのだった。

その顔にトランクスが（うっ・・・！）と怯んでいると

「出来ました！どうですか・・・？」

メディカのその声にベジータは表情を素に戻すと

「フン。これでいい。」

そう言ってソファから立ち上がり、リビングを出て行こうとするその背中に

「す、すみません！お時間取ってしまって！！」

オロオロしながら頭を下げるメディカと、悔しそうな表情を浮かべる我が子に、ブルマは笑いを堪えるのだった