社長という責任ある職にあり、仕事に侵され自由になる時間などほとんどなく、自分の様に歳の近い仲間が近くにいることもないだろうトランクスのことを思うと、自分の様なただの同居人でも少しは彼の役に立てているのかと思うと嬉しかった。

「よかった。私も少しはお役に立てるんですね。」

「も、もちろんですよ！俺の方こそ、お礼を言わないといけないぐらいで・・・！」

照れた様にそう言ったトランクスに

「ふふっ。じゃあ、私たち持ちつ持たれつ・・・ですね。」

小さく笑いながら言うと

「そ、そうですね。俺はメディカさんがいないと、ダメかもしれません。」

苦笑いを浮かべながら言った、その冗談交じりの台詞に本気で照れている自分を誤魔化す様に救急箱をワタワタと直しながら

「そ、そう言えばトランクスさんはドラゴンボールに願い事されたことってあるんですか？」

と、話を無理やり逸らした。

「えっ、俺ですか？個人的な願い事はしたことないですね。それに、滅多に集めることもないですし。」

トランクスが記憶を辿りながらそう答えると

「そうなんですか！やっぱり珍しいものなんですね。皆さん目の色が変わってましたもんね。」

メディカが小さく笑うと

「・・・メディカさん、昨日はすみませんでした・・・。」

と言うトランクスを見ると暗い顔をしており、その顔に「えっ？」と、首を傾げると

「メディカさんのお母さんのこと・・・。その・・・すみません、冷たい言い方をしてしまいました。」

トランクスはそう言って頭を下げるのだった。