ブラから何を吹き込まれているのか・・・。

ベジータはそう思うと、２人だけのこの状況に居心地が悪くなってきた。

ブルマとブラはこのメディカという女を気に入っている。下手に扱えば、何を言われるか分かったものではない。

そう思うとベジータはメディカから視線を逸らし、会話から逃げる様に目の前のリンゴに手を伸ばした。

「武術をされてるなら、怪我はあると思いますけど、ベジータさんは病気とは無縁そうですね。」

何やら嬉しそうに尋ねてくるメディカに

「フン。そんな軟な身体じゃないんでな。」

そう言ってリンゴに噛り付くべジータを見つめながら

「やっぱり、鍛えてらっしゃるから免疫力も高くなるんでしょうね。うん、やっぱり適度な運動は必要ですね。べジータさんみたいに健康な方がもっと増えたらいいんですけど・・・。」

眉を寄せ微笑むと

「そんな奴等が増えるとお前たち医者は必要なくなるんじゃないのか。」

鋭い視線を向けられ

「あはは・・・そうですね。でも、その方がいいですよ。きっと医者なんていない方が。」

自嘲的な小さな笑みを浮かべ、そう言ったメディカを、べジータはじっと見つめると

「残念だが病気というやつが無くなることはない。人間が存在する限りな。」

そう言うと、べジータは静かに椅子から立ち上がるのだった。

核心を突いてきたべジータの言葉に、メディカは少し黙り込むと

「そうですね。だから、私たちが病気で苦しむ人達を少しでも多く治せる様に、頑張らないといけませんね。」

と、眉を寄せながら微笑むのだった。