ある朝、メディカがリビングに入るとべジータがダイニングテーブルで１人朝食をとっていた。

「おはようございます。」

挨拶をすると、べジータは視線だけをこちらへと動かし、目の前にあるバゲットを掴むと、それを豪快に噛みちぎった。

その様子にメディカが微笑みながらテーブルへ近付くと

「何だ。」

いつもの鋭い視線とぶっきらぼうな口調を向けられ

「いつ見てもいい食べっぷりですね。見てて気持ちがいいです。食欲があるのは健康の証ですから。」

誰しもが怯みそうになるその視線を気にもせず、メディカはそう答えるとキッチンへと入って行った。

その姿をバゲットを頬張りながら、目で追っている自分に気付き（チッ！）と心の中で舌打ちすると、ベジータはまたバゲットに噛り付くのだった。

しばらくして朝食の乗ったプレートを持ったメディカが出て来ると、メディカはべジータの斜め向かいに座り「いただきます。」と手を合わせ、静かに朝食を食べ始めた。

部屋にはカチャカチャという食器の音だけが響き、しんとしていた食卓だったが、その沈黙を破ったのはメディカだった。

「べジータさんは毎日トレーニングされてるんですよね？」

ふいに投げかけられた質問に、べジータは啜っていたスープのカップから口を離すと

「・・・ああ。」

と、メディカを見据えた。

「トレーニングは毎日欠かさないって、ブラちゃんから聞いたんです。」

とても感心する様に見つめてきたメディカに、べジータは思わずたじろいだ。