胸に刺さったその言葉から傷口が開く様な感覚に襲われながら

「そ、そんな・・・お礼だなんて！」

沈みそうになる声に何とか力を込め、明るい調子で答えると

『いえ・・・トランクスさんには色々と助けて頂いて・・・。本当にありがとうございました。』

その言葉から、メディカのいつも見せるあの申し訳なさそうな顔が脳裏に浮かんだ。

もうあの顔を見ることは無くなるのだろうか・・・。

ふと思っていると

『あの・・・すみません、突然お電話してしまって・・・！では、これで失礼します。』

そう言った彼女の気配が、耳元から消えそうになった時

「あ、あの！メディカさん！！」

思わずメディカを引き止めていた。

『はっ、はい！』

驚いた声と共に、耳元に彼女の存在が戻ったことが分かったが、後に続ける言葉を考えておらず、頭をフル回転させた。そして

「飛行機！完成したら、また連絡します！！それまでに、何処か行きたいところを考えておいて下さい！」

彼女との約束を思い出し、何とか言葉を続けると

『は、はい！分かりました・・・。楽しみにしています！』

と、メディカの驚いた様な声が聞こえてきた。

そして『あの、それでは、また・・・。』と言う彼女の言葉を胸の中で繰り返しながら、トランクスはしんと静まり返る社長室で、一人携帯電話を耳に当てたまま、余韻に浸るのだった。

そしてメディカもまた

「まだ、夢見ててもいいのかな・・・？」

と、携帯電話を胸の前で握り締めながら、嬉しそうに微笑むのだった。