「それでは、そろそろお暇します。」

１時間程経った頃、そう言って席を立つクリニクに

「あ、ちょっと待ってて！渡すものがあるから。」

そう言うとメディカは応接室を出て行くのだった。

その姿を寂しそうな笑顔を浮かべ

「ご迷惑をお掛けして、こんな事を言うのも何ですが・・・娘はこちらでお世話になってよかったのかもしれません。」

呟く様に言うと

「あの子には寂しい思いばかりさせてしまい、独りで耐えることに慣れさせてしまいました。本当にすまないと思っています・・・。」

と、続いたその言葉に

「安心して下さい、私たちがいますから。メディカちゃんが嫌がっても、独りになんて絶対させませんわ！」

ブルマはそう微笑むと、クリニクは安心した様に

「本当にありがとうございます。」

と、深く頭を下げるのだった。




その頃。

一日中、そわそわと落ち着かずにいたトランクスだったが、ブラの気が玄関へと移動していることを察知すると、覚悟を決めた様に部屋を後にした。

彼女の父親がどんな人物なのだろうかと想像しながら階段を下りると、玄関に立つ男は悟飯と悟天の祖父でありチチの実父である牛魔王の様なおおらかそうな人物だった。

「あら、トランクス。」

階段を下りてくる息子に気付いたブルマの声にクリニクは視線をトランクスへと向けると

「おお！はじめまして、メディカの父のクリニクです。娘が大変お世話になっています。」

と、頭を下げた後

「いやー、やはり立派になられて。」

と、懐かしそうに自分を見つめるクリニクに、トランクスは疑問符を浮かべるのだった。