「お医者さんが格闘技が好きなんて、意外だわ。」

身体を傷つける格闘技とは真逆にある医者がそれを好きだというその矛盾が可笑しいらしく、そう言って笑うブルマに

「はは。よく言われますよ。しかし、私はあの己の力を最大限に高め、人間の限界を追求していく武術家の姿に感銘を受けるんです。あの姿を見る度に、人間本来の強さを再認識し、私たち医者も自分の知識と技術を高めていかなければならない。そう思うんですよ。」

静かに瞳を熱くし語るクリニクの言葉に、ブルマが「そんな見方もあるのね。」と、感心していると

「ふふ！パパがいつもトレーニングして、今よりもっと強くなりたいって思うことは、お姉ちゃんのパパにもいい影響があるのね！」

そう言って嬉しそうに満面の笑みを浮かべるブラに

「そうだね。おじさんもベジータさんの様に頑張らないとね。」

「じゃあ、パパももっと強くなる様に頑張ってね！ブラは強いパパが好きなんだから！！」

ベジータに微笑みかけるブラの姿に

「はは！可愛らしい娘さんだ。娘さんにこう言われると、頑張るしかありませんね。」

クリニクがベジータを見ると、愛娘を褒められたことが嬉しかったのか、いつもより表情を緩め

「言われるまでもない。俺は限界を超えても更にその先を超えていくだけだ。」

と、口角を上げると

「さすがですね！頼もしいご主人だ。御子息が天下一武道会の少年の部で優勝したのも納得出来ますよ！」

思わぬその一言が更に嬉しかったらしく、ベジータは「フッ！」と誇らしげに更に口角を上げ、初耳のメディカは「えっ！？そうなの！！」と驚いた声を上げるのだった。