カルテ29
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そんな母の背中が見えなくなると、トランクスのマグカップを持つ手はやっと動きだした。
(俺の為・・・。)
と、コーヒーを一口飲み込み、そう胸の内で呟くと、じわじわと嬉しさが込み上げて来る。
「美味しかったでしょ?」という母の言葉で、あのクッキーを自分以外にも食べた人間がいることを残念に思った。
この家で作ったのであろうから、ブルマやブラがそのことを知っているのは当然のことなのだが、何故かそれすら残念に感じているこの気持ちは独占欲というものだろうか。
しかし、あのクッキーが自分の為に作られたものだったと言われると胸が温かくなり、微量でも、彼女の愛情が込められていたらと期待した。
いつもふんわりと柔らかい雰囲気の彼女が、昨夜は少し違って、緊張した様な硬い表情で立っていたのを思い出す。
そして、紙袋を差し出した彼女の頬が少し色付いていた様に思ったのは気のせいだろうか。
そんなふうに思い始めると、都合のいい方へと解釈してしまい、表情が緩んでいくのが自分でもよく分かった。
母が言うように、自分の印象が良くなっていることは間違いないのかもしれない・・・。
あの夜の中庭での出来事は、ただの後悔でしかなかったのだが、そうではなかったらしい。
そう思うと、妙に自信の様なものが湧いてきて、トランクスはその弾む感情をコーヒーと共に自分の内へと飲み込むのだった。
そして自室に戻ると、机に置かれた彼女からの思いがけない贈り物を大切に鞄に入れ、ふわふわと浮ついた気持ちで、今日もハードであろう職場へと向かうのだった。
(俺の為・・・。)
と、コーヒーを一口飲み込み、そう胸の内で呟くと、じわじわと嬉しさが込み上げて来る。
「美味しかったでしょ?」という母の言葉で、あのクッキーを自分以外にも食べた人間がいることを残念に思った。
この家で作ったのであろうから、ブルマやブラがそのことを知っているのは当然のことなのだが、何故かそれすら残念に感じているこの気持ちは独占欲というものだろうか。
しかし、あのクッキーが自分の為に作られたものだったと言われると胸が温かくなり、微量でも、彼女の愛情が込められていたらと期待した。
いつもふんわりと柔らかい雰囲気の彼女が、昨夜は少し違って、緊張した様な硬い表情で立っていたのを思い出す。
そして、紙袋を差し出した彼女の頬が少し色付いていた様に思ったのは気のせいだろうか。
そんなふうに思い始めると、都合のいい方へと解釈してしまい、表情が緩んでいくのが自分でもよく分かった。
母が言うように、自分の印象が良くなっていることは間違いないのかもしれない・・・。
あの夜の中庭での出来事は、ただの後悔でしかなかったのだが、そうではなかったらしい。
そう思うと、妙に自信の様なものが湧いてきて、トランクスはその弾む感情をコーヒーと共に自分の内へと飲み込むのだった。
そして自室に戻ると、机に置かれた彼女からの思いがけない贈り物を大切に鞄に入れ、ふわふわと浮ついた気持ちで、今日もハードであろう職場へと向かうのだった。