香り高いコーヒーの香りが部屋中に広がり、それぞれの前にカップを配り終えたブルマが

「さぁ、どうぞ召し上がって下さい。」

と微笑むと

「ありがとうございます。」

軽く頭を下げてから、クリニクはカップを持ち上げ一口コーヒーを啜ると

「しかし、まさかカプセルコーポレーションの会長さんのお宅で娘がお世話になるなんて・・・聞いた時は驚きました。」

眉を寄せ笑うと

「これも何かの縁ですわ。娘が入院した時、メディカちゃんにはすごくお世話になったんです。それで私も娘も、すっかりメディカちゃんのことが気に入ってしまって。本当に可愛くて優しくて、いいお嬢さんですわ。」

ニコリと笑うブルマの言葉に、メディカが嬉しくも恥ずかしく「そんな・・・！」と、小さく首を振っていると

「娘のことをそんなふうに思って下さって・・・。親として嬉しい限りです。それに、安心しました。途中から、私一人で育ててきましたから・・・。」

寂しそうに笑うその顔に

「メディカちゃんはとてもいいお嬢様に育ってますよ。きっと、お父様が大切に育ててくれたことに応えてくれているんだと思います。」

ブルマはクリニクを称える様に、キュッと口角を上げると

「そんなふうに言って頂けると、少し胸を張れますよ。」

と微笑む父の姿に、メディカが寂しく微笑んでいると、ガチャリとドアが開きベジータが入って来た。

まさか本当にやって来るとは思わず、驚くブルマとメディカをよそに、ブラは「待ってたわよ、パパ！」と、満面の笑みを父ベジータへと向けるのだった。