そんなメディカの父に

「いえ、先にメディカちゃんのお世話になったのはウチの娘ですから！ねぇ、ブラ？」

「ええ！お姉ちゃんのおかげで楽しく入院生活を送れたんだもの！」

にこりと笑う少女の言葉に

「そうですか。まだまだ未熟な娘が、少しでもお役に立てたようで安心しました。」

メディカの父は安堵の表情を浮かべると

「メディカちゃんはとても頑張ってますよ。きっと、いいお医者さんになれる。私はそう思ってますわ。」

ブルマが笑顔でそう答えるのを、メディカの父は嬉しそうに微笑むのだった。

「さぁ、どうぞ上がって下さい。」

ブルマはそう促すと、階段を上がり２階の応接室に向かって案内を始めた。

長い廊下を進む途中で、向こうの廊下からトレーニングを終えたばかりであろうベジータが、タンクトップにスウェットパンツ、タオルを首にかけた姿で歩いて来るのが見えた。

そんなベジータをブルマは

「主人のベジータです。」

簡単に紹介するとメディカの父はベジータとすれ違い様に足を止め

「はじめまして、メディカの父のクリニクと申します。娘が大変お世話になっております。」

と頭を下げるのだった。

足は止めたベジータだったが、クリニクを一瞥し、無言でそのまま再び歩き出すと

「ちょっと、ベジータ！ちゃんと挨拶くらいしなさいよ！！」

と、いきり立つブルマの隣りから

「パパ！トレーニング終わったなら、あとで応接室に来てね！」

ブラは嬉しそうな笑みを向けるのだった。