思いもよらぬ客が来たのは９月の初めの週末のことだった。

その人物が来ることを聞かされたとき、トランクスに緊張が走ったのはやはり当然のことで、その事を聞いてから数日落ち着かない日々を過ごし、とうとうその日を迎える事となった。

受付ロボットがその名を告げたのは、夕方の４時になろうかという頃で

「あら、いらっしゃったわよ！」

と、ブルマが嬉しそうに席を立つと

「ふふ。どんな人なのかブラ楽しみだわ。」

「ホントね。でも、きっと素敵な人よ！」

と母娘は楽しそうに、来客を迎えるため玄関ロビーへと向かうのだった。

もう太陽の光も届かなくなった玄関に姿勢良く立っていたのは、手に大きく膨らんだビジネスバッグを持った恰幅のいいスーツ姿の男で

「お待たせしました。」

ブルマがそう微笑みかけると

「いえ、こちらこそお休みの日にお邪魔して申し訳ありません。」

そう言って深く頭を下げるのだった。

その穏やかな雰囲気や、人の良さそうな顔つきに（やっぱり、親子ね）などと、ブルマがクスリと思っていると

「お父さん！」

と言う、嬉しそうな声が階段から下りて来た。

「メディカ。」

階段から下りて来るメディカの名を呼び、表情を和らげるその様子に、ブルマとブラも自然と表情を緩ませる。

「メディカ、元気そうだな。」

「うん。」

そう言ってはにかんで笑う娘メディカに安心した様に微笑むと

「この度は娘が大変お世話になってしまって・・・。本当に申し訳ありません。」

男、もといメディカの父は再び深く頭を下げた。