「それでは社長、明日の朝またお迎えにあがります。」

「ああ、よろしく頼むよ。」

「あの・・・ありがとうございました。」

そう言って深くお辞儀をするメディカに

「いえ。社長の大切なお客様をお乗せするのは当然ですので。」

そう言ってにこりと笑う運転手にトランクスはギクリとした顔を向けると、運転手は嬉しそうに微笑みながら

「それでは、私は失礼致します。」

と、エアカーに乗り込みカプセルコーポを後にしたのだった。

運転手の言った台詞とあの微笑に（まさか、バレてるのか・・・？！）と、自分のこのメディカに対する感情が、何時どこで漏れたんだと頭を抱えていると

「トランクスさん、ありがとうございました。」

穏やかなその声に呼び戻された。

「あ、いえ・・・！中に入りましょうか。メディカさん、疲れてますよね。」

「いえ、明日は休みなので大丈夫ですよ。私より、トランクスさんこそ明日もお仕事ですし、早めに休んでくださいね。」

「ええ、なるべく早く休みます。明日から３日間、中の都へ出張なので。」

「そうなんですか・・・？！・・・やっぱり社長さんは忙しいですね。お仕事頑張って来て下さい。」

「ありがとうございます。メディカさんにそう言われると、頑張れそうですよ。」

にこりと笑うその顔に、メディカの胸はギュッと痛くなった。

自分に向けられる好きな人の笑顔は、嬉しくて仕方なくてドキドキする筈なのに、時には辛くなるものなのだなと、この夜１つの決心をしたメディカは密かに思うのだった。