カルテ63
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8月も終わりを向かえようかという、ある日の夕方。
メディカは当直明けの疲れを引きずりながら、西の都の病院からカプセルコーポまでの道のりを1人歩いていた。
夕方と言ってもまだ明るい空の下、昼間の太陽の熱を含んだ風が吹く中を進んでいると、民家の庭先で褐色の首をもたげるヒマワリの姿が目に留まった。
夏の間、黄色く鮮やかな花を目一杯咲かせていたヒマワリたちのその果てた姿があまりに切なく、何とも言い様のない寂しさが込み上げてきて、メディカはギュッと胸の奥が締め付けられそうになるのを、少し歩みを速めることで紛らわし
(・・・夏も終わりだな・・・。)
そう心の中でポツリと呟くのだった。
どこで鳴いているのか、微かに聞こえる蜩の声を聞きながら歩いていると、ようやく見えたカプセルコーポレーションにホッと小さく息を吐いた。
世界のトップ企業として知らぬ者はいないだろうカプセルコーポレーションの会長宅に、自分が同居していることが未だに信じられないが、この広大な敷地を見て安心してしまうのは、此処が自分の安らげる場所の一つになったということなのだろうか・・・。
初めて此処に来た時は、入ることさえ躊躇われたのだが、一月経つと慣れてしまった自分が可笑しく、薄く笑いを浮かべながら入り口へと向かっていたところで、向かいの住宅の陰からカプセルコーポ内の様子を望遠カメラ片手に探る不審な男が目に入った。
その途端、メディカの入り口へと向かっていた足は目的地を急遽変更し、そのままカプセルコーポレーションの前を通り過ぎたのだった。
メディカは当直明けの疲れを引きずりながら、西の都の病院からカプセルコーポまでの道のりを1人歩いていた。
夕方と言ってもまだ明るい空の下、昼間の太陽の熱を含んだ風が吹く中を進んでいると、民家の庭先で褐色の首をもたげるヒマワリの姿が目に留まった。
夏の間、黄色く鮮やかな花を目一杯咲かせていたヒマワリたちのその果てた姿があまりに切なく、何とも言い様のない寂しさが込み上げてきて、メディカはギュッと胸の奥が締め付けられそうになるのを、少し歩みを速めることで紛らわし
(・・・夏も終わりだな・・・。)
そう心の中でポツリと呟くのだった。
どこで鳴いているのか、微かに聞こえる蜩の声を聞きながら歩いていると、ようやく見えたカプセルコーポレーションにホッと小さく息を吐いた。
世界のトップ企業として知らぬ者はいないだろうカプセルコーポレーションの会長宅に、自分が同居していることが未だに信じられないが、この広大な敷地を見て安心してしまうのは、此処が自分の安らげる場所の一つになったということなのだろうか・・・。
初めて此処に来た時は、入ることさえ躊躇われたのだが、一月経つと慣れてしまった自分が可笑しく、薄く笑いを浮かべながら入り口へと向かっていたところで、向かいの住宅の陰からカプセルコーポ内の様子を望遠カメラ片手に探る不審な男が目に入った。
その途端、メディカの入り口へと向かっていた足は目的地を急遽変更し、そのままカプセルコーポレーションの前を通り過ぎたのだった。